#11 ページ11
side TAKAHIRO
涼「それ、は…」
臣「はい、考えなーい」
涼「あ、」
敬「臣の言う通り。考えちゃ意味ないじゃん(笑)」
口をギュッと閉じて俯きかけた涼太。
まさしく、相応しいというか、当たり障りのない答えを探しているようで。
敬「涼太がまず考えたことだよ。別にメンバーの前で言いたいなら待つけど…今なら俺ら2人だけ。ここで話したことはメンバーにはもちろん言わない」
俺らを安心させるための答えなんて、求めていない。
ただ、涼太の本音が知りたいだけ。
その本音が俺らを傷付けるものであっても構わない。
俺らを地獄に落とすようなものでも、しっかり受け止める。
臣「俺なら、迷惑とかの前にもっと色々考えるかな…だって、みんなに相談するのは苦手だから、とりあえず1人で解決しようと思うはずだから」
涼太も、そんなタイプじゃない？と、優しく話す臣。
すると涼太は覚悟を決めたのか、俺らをじっと見つめた。
涼「…みんな、には…」
敬「うん、言わないよ」
そう言ってあげると、少しだけ肩の力が抜けた気がして。
ベッドサイドの椅子から立ち上がり、ベッドに腰掛けた。
涼「もう……ここには、居られないな、って…」
臣「うん」
涼「でも、何も覚えてないから、どうしたらいいかもわかんなくて…それで、っと、」
敬「うん、ゆっくりでいいよ」
涼太の話を遮らないように、でも、ちゃんと相槌を入れながら。
涼太のペースで、涼太の言葉を待つ。
涼「ここにいちゃダメだってわかってるけど、でも…どうしたらここから離れられるかとか、全部終わりにできるんだろうとか、何もわかんないから…(泣)」
臣「うん、わかんないよね」
次第に零れ始めた涙。
でも、そのまま見守った。
臣も、何も言わなかった。
涼「何も、わかんないくせに…みんながいるとなんか…安心して、落ち着いて…んで結局、また離れられなくて、(泣)」
敬「ん、そっか。それで全部？」
涼「はいっ…(泣)」
止まらない涙。
それを見ないフリした。
見ないフリして、そのまま抱きしめた。
涼太の顔を、俺の胸に押し付けた。
嗚咽でヒクヒク動く涼太の背中には、臣の手が添えられていた。
失われた記憶がある事実。
失われているものがあるという恐怖。
何が失われたのかがわからない不安。
押し潰されそうだったんだよね、きっと。
そして、きっと吐き出せなかったんだよね。
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りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんのペースで書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (
レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんの書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page33 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年9月20日 22時) (レス) id: 23d7ad1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 作者さんが決めることなので無理には言いませんが続けて欲しいなと思ってます(*^-^*) (2021年9月20日 3時) (レス) id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jdhchebbdn | 作成日時：2021年8月21日 18時
