"普通" の暮らしを。

#27 ページ27

side龍友

我ながら、ナイスセンスやと思う。

裕「犬、うさぎ、くま…パンダって、どんだけ入っとんの、」

龍「そんな言葉も出てこんほど嬉しいんか。そら良かったわ」



裕太くんは入っとるのを全部、まじまじと見ている。

涼太はそれらを遠目にじっと見つめる。





龍「ほら、涼太もはよ着替えといで」

なんでかはわからないけど、近づこうともしない涼太。

とりあえずイチオシの犬の着ぐるみという名のルームウェアを押し付ける。



涼「いや、意味わからんっすよ…」

龍「意味わからんことないやろ！涼太がそれを着るねん」



グダグダうるさい涼太。

さっさと着ればいいだけやのに。







裕「涼太くん、俺もやっぱり涼太くんは犬がええと思うわ…」

龍「そう思うやろ！やっぱり僕のセンスに間違いはないわ！」


ポツリと、黙り込んで着ぐるみたちを見ていた裕太くんが一言零す。

やっぱり僕のセンスは完璧。



涼太には犬が似合う。

そうとなれば。









涼「…わ、ちょ！なにっ…やめてくださいよ、！」

龍「グズグズしとる涼太が悪いねん！」





こうなれば強行突破。

涼太のパーカーのチャックを下ろす。

それから入院中ということもあって、脱がせやすいスウェットを素早く脱がす。




ワーワー騒いでるけど、そこは気にしない。









龍「…あかん、完璧すぎて何も言えんわ…」

裕「可愛い、可愛いんやけど…ちょっと待ってな、写真撮らせて」



カシャッ…カシャッ…



しばらく、シャッターの音が響く。




裕「電話しよ、みんな呼ぶで」









部屋に響くのは、裕太くんが電話する声。

それから、可愛らしい寝息。





まさか、こんなタイミングで眠るとは。



睡魔に勝てないとは。









少しして、あっという間に全員が集まった。

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