#16 / 発作 ページ16
side裕太
裕「なぁ、涼太くん……涼太くん?どしたん?」
涼「ん?あ、何でもないよ」
裕「ほんまか?」
涼「ほんまほんま」
洗濯物を干そうと洗濯機から出してきて、ベランダに移動すると。
手に本を持った涼太くんがベランダの椅子に座っていた。
その姿を見て、読書中に申し訳ないなと思いつつも声をかけた。
でも。
どことなく、ボーッとしている気がして。
心なしか、不安そうな表情で。
本を開きながらも、片手が胸の辺りに当てられていて。
裕「涼太くん、苦しい?」
涼「へ、?」
俺が声かけてすぐにハッとして本に視線を落とした涼太くんやけど、また少しして見ると、胸に手を当てて目を閉じていて。
裕「我慢しやんくてええんやで。朝ご飯の後、ちゃんと薬飲んだ?」
涼「大丈夫だって。薬も飲んだし」
洗濯物を後回しにして、涼太くんの前にしゃがみ込んだ。
裕「ちょっと休んどき。ほら、本は後にして…」
涼太くんの手からスッと本を抜き取り、しおりをそこに挟みなおした。
そして涼太くんの手を取って、涼太くんの部屋の中へ。
裕「ほんまに苦しくないか?しんどくない?」
不安そうに上目遣いで俺を見つめる涼太くんを見ながら、おでこに手を当てて熱がないことを確認する。
涼「裕太くん、ほんまに大丈夫やで」
裕「そうやったらええけど…なんかあったらすぐ呼びや?」
涼「うん、大丈夫」
"大丈夫"
口癖のように、涼太くんは呟く。
それを信じたいけど、どうしても信じきれないところもあった。
強引すぎたかな、なんて思いながらもベッドに横になった涼太くんの頭を撫でた後、部屋を出た。
裕「涼太くんー…あ、おやすみ」
全部を終えて部屋にいる涼太くんを見ると、眠っていた。
寝顔はいつもと何も変わらなくて。
安心しきってしまった。
龍「そろそろ昼か」
裕「涼太くん起こすか」
それから涼太くんはぐっすりだったのか、起きてこず。
今日はお留守番の龍友くんとお昼ご飯を先に用意した。
龍「涼太、入るでー」
裕「涼太くん?よう寝てるなぁ」
相変わらずノックなしで入る龍友くんに続いて入ると、涼太くんは布団にしっかり潜っていた。
裕「涼太くん、お昼…」
龍「涼太っ!?」
眠っているだけだと思っていた。
でも。
涼「……はっ…かはっ……ヒュッ…」
布団をめくって目にしたのは、真っ青で弱々しく息を吸う涼太くんだった。
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りさ - 新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年11月15日 3時) (レス) @page50 id: 96e86ff224 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめか(プロフ) - 下書きの公開楽しみです😊✨ (2021年11月13日 18時) (レス) id: e790979a11 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄 - お父さんがめんさん、お兄ちゃんが亜嵐か、裕太かがいいです (2021年11月2日 12時) (レス) @page50 id: 9560844fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太くんがいいです(*^-^*)新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年10月31日 3時) (レス) @page50 id: e43e150c6b (このIDを非表示/違反報告)
さらん - あらんくんがいいです (2021年10月29日 11時) (レス) @page48 id: d9f6645eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年8月7日 21時