リツイート ページ17
「昨日坂田リュックも間違えて開けちゃったんだよね、ごめん。でもやまだ入れてくれてたのうれしかったよ」
ふふ、とうらたがこぼした笑みに彼女はまだ若干幼さが残るその顔をまたも赤く染め上げた。
今度は耳の端までしっかり真っ赤になる彼女に不思議と悪い気はしなくて、次に言葉をかけたらどんな反応をしてくれるだろうかなんて、気づけばそんなことを思っていた。
そんなうらたを現実に引き戻したのは心臓に悪い後ろからの突如とした引力で。
「っちょ」という情けない声をあげたうらたは当然後ろを振り返り、彼を引っ張った主、坂田に顔をゆがめる。
その上、近くにいたセンラが流れ作業のようにその扉を閉めるものだから、今度はセンラに対してしかめっ面をする。
も、直後に志麻が「は、センラさんなんで閉めるん。Aちゃん見えんくなったやん」と言いたいことを代弁してくれたので露骨なしかめっ面はやめることにした。
「見えるも何もいちもくさんに背中見せてたんやし、別にええでしょ」
「いや、女の子のパジャマ姿ってなんか萌えるやん」
すぐに戻すことになったが。(志麻に対して)
うらたが二人のやりとりを見ていたところを「なぁ」という普段では考えられないような静かな声が隣から聞こえ思わず目線を変えると、そこにはうらた以上に気に食わないといったような坂田の姿があった。
「うらさん、Aちゃんになにしたん」
「……別になんもしてねぇけど」
「……へーん。ふーん。そう」
「なんだよ」
坂田の意味ありげな態度に、うらたの声も自然と鋭さを増す。
だが、次に坂田が発した声は今の流れからはだいぶ離れたあまりにもあっけらかんとした声色で、しかも少し自慢気だった。
「ええもーん。やって、Aちゃんのツイッター知っとんの俺だけやし」
……は?
いつの間にか聞き耳を立てていたらしい志麻とセンラも同じような声を出し、部屋には今の状況を一人だけ楽しんでいる坂田のくすりと笑う声が響く。
「みんな知らんもんなぁ?Aちゃん俺らのことフォローしてくれとるんに」
……三人は素早くポケットからスマホを取り出した。
そして、無性にイラつく力強いタップでツイッターを開きながら三人仲良くこう思うのだった。
(コイツ、なんで今の今まで言わなかったんだよ!)
坂田の上機嫌な鼻歌が余計に心を腹立たせた。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2019年12月5日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - ふぅ…(誤字はホモ) (2019年8月29日 22時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - もう読み替えすん5回目です〜〜!やっぱいい作品は何回読んでもおもろいねんなぁ (2019年8月29日 22時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
ねこぬこ - ゆでたまごで顔の筋肉死にましたwwwwww (2019年6月15日 21時) (レス) id: d648c1255c (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - さかセンのうんこ吹いたwwwwww (2019年6月2日 16時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふくろう | 作成日時:2019年5月15日 15時