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「はい、ウノ」
ぽい、と夏翠が投げたカードは赤い7のカード。手元にあるのはドロー4で、次に夏翠の番が来れば勝ちは明確だった。
げ、と声を上げたのは、手札8枚の伏見。今回のゲームはとことん運が悪く、手札の中には赤も7もない。もー、なんて言いながら、山札から1枚引き取るも、それは緑の1だった。
そんな様子を夏翠と一緒に笑うのは、手札3枚の剣持。赤の7を見つめると、手札の順を入れ替え、緑と青の7を出した。そして一言、ウノ。
再び夏翠の番になり、出したのはドロー4。伏見の叫び声が部屋に響いた。
夏翠の復活配信から1か月、今日は夏翠宅に3人でお泊りの日だった。
「も〜やりたくない!刀也さんも夏翠も手加減っていうものを知らない!」
「年下に手加減する義理はねぇ」
「ガクくん相手に手加減したくない」
「人でなし…」
大した暇つぶしにもならなかったウノを片付けては、ぐぐ、と伸びをする。時刻は午後7時で、そろそろ腹の虫がなる頃。
「俺今日刀也のカレー食いたくてさ、材料買ってあるんだよね」
「カレー作るのはいいですけど、今からだと時間かかりますよ」
「やったー!刀也さんのカレー!」
「じゃ、カレー作っといて。俺ジャンプに餌あげてくるわ」
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月19日 20時