Seasons ー第3章ー

雪永生誕祭の裏側1 ページ20

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―――2021年7月6日



大阪でのトークイベントを終えて明日は広島でのトークイベント。移動はあるものの束の間のオフ。


雪永A。今日が23歳最後の日。


健太くんから「ゆっくりしたら部屋おいで」と言われて絶賛浮かれております。さすがに私の誕生日が明日だってことは気付いてるよね？



ホテルの部屋に荷物を置いてすぐに健太くんに今から行っていい？と連絡。


健太くんごめん、今から陣さんとキャス配信する


すぐ終わるだろうとベッドに寝転びながら二人のキャス配信を見る。





…………全然終わらなくない？





挙句の果てには翔吾と海青まで参加しちゃってさ。それなら私だってコラボしたかった。


まだまだ盛り上がってる配信。寝ちゃいそうなのを我慢するためにとお風呂に入ると、LIKIYAさんから着信。電話がかかってくることなんて滅多にない。どうしよう、お説教？



「ごめん、今電話大丈夫だった？」


「…はい、だいじょうぶです。……あの、何かしちゃいましたか？」


「ふっ、別に怒るつもりないからリラックスしてよ。正座してるなら足崩していいから」



どうして正座してるってバレたんだろう。やっぱりLIKIYAさんは凄いな。



「健太から雪のこと聞いたんだけど、雪はどうなのかなって聞きたくて。俺は雪が健太のことで悲しい思いしてるの知ってるからさ、雪の意見っていうか今の気持ちを聞きたくて」



優しいLIKIYAさんの声に思わず目頭が熱くなって膝に顔を埋めた。



「……雪？どうした？」


「っ、LIKIYAさんの優しさが目に滲みました」


「おいっ、それ以上言うと俺も泣くからやめて？」


「ふふ、ありがとうございます。…あの、LIKIYAさん。この間健太くんに好きだよ、って言われたんです。今の私なら健太くんに甘えっぱなしだったあの頃より成長してるんじゃないかなって思ってるんですけど、まだちょっと不安なんです。また私が健太くんの負担になったらどうしようって」


「雪。あの頃とは俺らの関係性が違うよ。雪が頼るのは健太だけじゃない。俺や陣くんはもちろん、16人全員が雪の力になるから。だから安心して健太に甘えればいいんだよ」



LIKIYAさんの言葉が迷っていた背中を押してくれた。





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