過去◆2015 合宿 ページ9
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合宿期間中。
今頃みんなが頑張ってるんだと思うと授業を受ける気になんてならなくて、気付けば事務所に足を運んでいた。
スタッフさんにお願いしてリハーサル室を借りると曲に合わせて無我夢中で踊る。
RAMPAGEのメンバーとしてではなく、一人の雪永Aとして。
ひたすら踊って、汗だくで床に倒れ込むとゆっくりと息を吸い込んだ。
疲れてへとへとなのに心はなぜか熱い。
この感覚、久しぶりだ。
「たのしいなぁ、ダンスって」
これこそが私の本音だった。
誰と一緒に踊るとか、デビューとか。そんなの考えても答えなんて出ない。
でもダンスは続けたい。
私はダンスが好きなんだ。そんな大事なことを忘れていた。
「合宿に参加しなくてすみませんでした!でも…私にはダンスだけなんです。ダンスを続けたいです」
合宿を終えた16人のメンバーの前で深々と頭を下げると「知ってるよ、そんなこと」とLIKIYAさんに笑われた。
「別に合宿参加せえへんかったからって見捨てたりせえへんよ、俺は。これからまた一緒に頑張ろう」
私を快く迎えてくれたLIKIYAさんと陣さんに改めて感謝を告げると、気合を入れるように今まで一度も染めたことのなかった髪を金髪に染めた。
これは私なりの決意表明だ。
私は絶対にTHE RAMPAGEとしてデビューする。
―――――2016年
私達にとって2回目の武者修行。
今回は3グループで全国各地を回るらしい。そして決められたグループ分けに愕然とした。
「っ、いやです!わたし、RouteAがいい!」
会議を終えるとすぐにマネージャーさんに駆け寄った。
「雪。全員の個性を考えた結果だ。社内で判断したんだから従いなさい」
「…っ、でも。健太くんもいないし、翔吾もいない。そんなの無理です、」
「ったく、これは遊びじゃない。みんな人生賭けてんだよ。雪、お前はこのままじゃみんなとデビューできないぞ。それでもいいのか?」
そう言われたら、やる以外の選択肢はなかった。
「それは嫌です。私だってデビューしたい。女だからってなめられたくない」
「じゃあ死ぬ気で頑張ってこい!」
今でも断言できる。
この武者修行が人生で一番ツラかった。
でも――私が変わることができたのは、間違いなくこの武者修行のおかげだ。
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美紀(プロフ) - ランぺ大好きです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年11月29日 17時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - Megさん» コメントありがとうございます。表現を褒められるのとても嬉しいです!引き続き切なさ全開になりますが、これからも読んで下さると嬉しいです。更新頑張りますね。 (2021年3月11日 8時) (レス) id: 266b0fc261 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - いつも更新されるたびに読ませていただいてます!切ない感じがとても素敵です!Lalaさんの表現する言葉って優しい感じがして好きです!これからも更新頑張ってくださいね! (2021年3月9日 19時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - タムさん» コメントありがとうございます!直接的には繋がってはないのですがお酒を飲むとガードが緩くなる紅一点ちゃんというのを徐々に匂わせています。条件が出るようになった事件もちゃんと書くつもりですのでお待ちください。毎日チェックしていただき感謝です。 (2021年3月8日 15時) (レス) id: 266b0fc261 (このIDを非表示/違反報告)
タム(プロフ) - もしかしてお酒の条件って飲みかけのビールのお話と繋がってたりしますか!?毎日このお話が更新されてるかチェックするのが楽しみなぐらい面白いです!いつも更新していただきありがとうございます! (2021年3月7日 10時) (レス) id: 2c73cc4c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lala | 作成日時:2021年1月2日 10時