Seasons ー第1章ー

過去◆2016 初めての衝突 ページ11

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山彰さんに強引に腕を引っ張られて連れて行かれた先は移動バス。


山彰さんってなんとなく苦手なんだよな。私を見下してる気がする。

まだ瑠唯さんがいるだけ救いだ。健太くんが瑠唯は優しいって言ってたもん。



「雪。単刀直入に聞くけど、お前は俺らと仲良くする気あんの？」


「ちょっ、山彰。もっと言い方あるでしょ。雪ちゃん怒られて凹んでるんだし、先に慰めたほうが」


「じゃあ言い方変えるわ。雪は健太がいないとパフォーマンスできないわけ？だっせぇな、それ」



鼻で笑う山彰さんにプチンと何かが切れた音がした。



「なっ、そんなことない！っていうか山彰さんに私の何がわかるんですか？男の中に女が一人だけ放り込まれたら誰だって私と同じ状況になるに決まってます」


「…言っとくけど俺は雪のこと女として見たことねぇから」



は？



「メンバーだろ、お前は。女とか男とかどうでもいい。夢に向かって一緒に頑張る同志だろ？だからパフォーマンス中、目合わせろ。息を合わせろ。壱馬の声、ちゃんと聞け。一人で暴走すんな。雪がダンスのスキルが高いのは認める。でも俺らはグループだ。一人でも和を乱すヤツがいると全部が台無しになるんだよ。俺らは17人でデビュー目指してんだよ」


「…っ、」



目を真っ赤にして喋る山彰さんに言葉を失った。



「……頼むから。…心開いてくれよ、俺らに」



山彰さんの本音に大粒の涙が溢れる。


ようやく気付いたんだ。悪いのは全部自分だったんだと。


私が一方的に彼らと壁を作ってたんだ、と。





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