episode1 end ページ16
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｢金澤さん、なぜ連絡しなかった。防犯カメラの映像を見ていたんじゃねーよかよ。｣
鈴木が声を荒らげる。
金澤は落ち着いた声でいった。
『……先ほど上層部から指示が出た。女のスマホに入り込んでGPS機能を設置しろと。それ以上は言えん。ごめん。』
三嶋は眉をぴくりと動かす。
鈴木はなおも怒鳴る。
｢なんでだよ！なんで言えねえんだ！！A！哲也も……なんか言えよ。｣
小柳津は暇そうにデスクのマウスをいじる。
顧客情報はしっかりと守られていた。
｢俊光。俺らはもう用無しだよ。｣
｢……は？捜査しねーのかよ。｣
｢俺たちの仕事はテロや特殊事件の初動捜査。これからの捜査は……強盗として処理されるなら捜査二課の仕事。はい、撤収撤収。｣
小柳津に肩を抱かれて部屋を出る鈴木。
三嶋は腕を組みながらまだその部屋に残っていた。
｢金澤さん。｣
『なぁに。』
｢気になることがあるから、女の正体分かったら連絡よろしく。｣
『なんで気になるの。』
｢刑事のカン。｣
『……分かったよ、連絡する。じゃあ、僕はこれから女の居場所を突き止めるのと二課との連携かあるから、失礼するよ。』
三嶋は2人の後を追うように部屋を出た。
小柳津、鈴木は気づいてないようだが三嶋にはわかった。
部屋が女のものらしき香水の匂いで溢れていたことを。
その匂いをもう一度嗅ぐ。
鼻につく、三嶋の苦手な匂いだった。
本部に戻って一同はまた、デスクに座る。
今回の報告書を作成中だ。
｢俺？そんなん気づいてたよ。結構きつい匂いだったやん。｣
三嶋は驚く。
｢哲也は鼻詰まってたから気づいてないんじゃない。｣
鈴木は匂いに気づいていたようだ。
小柳津は……。
｢あれ、やっぱりそうだったんですか。Aさんと哲也さんと俊光さんから同じ匂いがしたのでおかしいと思ってたんです。｣
匂いに敏感な須賀がくんくん、と三嶋のスーツを匂う。
｢私は好きですよ、この匂い。いい女って感じで。｣
須賀はニコリと笑った。
その笑顔をみてへらっとする小柳津を他所目に三嶋はスーツを脱ぐ。
｢私はこの匂い好きじゃないなぁ。クリーニングに出すよ。｣
｢え、俺もついでに出してきてよ。｣
｢自分でやって。｣
いつもの調子に戻る二人。
四人の部下たちは微笑ましげに見守る。
｢……なあ。｣
鈴木が立ち上がった。
｢これから、よろしく。｣
三嶋はふ、と笑って何もいわずに手を差し伸べた。
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ｭｩﾅ(プロフ) - てつやの漢字って徹也←こっちじゃないですか？ (2021年1月7日 9時) (
レス) id: 27390dba10 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - とっても面白いです！！ワクワクしてこれから楽しみです〜！！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: ad4aaf0953 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたしぃ | 作成日時：2020年8月2日 17時
