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『や … っ、ちょっと、涼太くんっ』
ブーケをキャッチした私以上に喜んでくれる涼太くんに釣られて、私も自然と笑顔が移っていた。
リ「ナイスキャッチ、A!!」
誰も私を責めるものはいなく、拍手と共に「おめでとう」と温かく祝福してくれる会場。
龍「あれは流石にダメかと思ったわ」
玲「お前の顔、必死過ぎて間抜けだったよ」
こういう2人だけど表情は笑っていて、からかってるのが分かる。
涼「A、僕決めたっ」
私の腰に手を置いたまま、足が着くところまで降ろしたところで話し出す涼太くん。
『何を、決めたの?』
涼「日本に帰ってきて色んなことが落ち着いたら … いいでしょ?」
『いいって … 何 … ?』
彼は私の目の前で跪き、私の左手を取って顔を上げる。
涼「僕と、結婚してください」
今まで幾度となく見てきた笑顔。
その中でも、群を抜いて印象に残っているこの時の涼太くん。
周りのことなんて忘れて、音も聞こえなくなり。
まるでこの会場の2人しかいないんじゃないかって錯覚したほど、夢のような時間だった。
追い打ちをかけるように、彼は私の左薬指に光るお揃いのシルバーリングにキスをして再び顔を上げた。
涼「お姫様、お返事は … ?」
返事をしたくても、言葉が出なくて。
だから、その代わりに思いっきり彼に抱き着いた。
涼「うわ … っ!」
あまりの勢いに涼太君を押し倒すように私たちは倒れ込み、彼が逃げないようにぎゅっと抱き着いた。
涼「これ … って、オッケー … なの?」
『私を、涼太くんだけのモノにしてください … っ!!』
言葉とはすごいもので、口にした途端に実感が湧いてきて涙が止めどなく溢れてきた。
メイクが崩れちゃうとか、折角の洋服が汚れちゃうとか、そんなこと考えられないくらい涼太くんでいっぱいなの。
そんな私の背中を、ポンポンとリズム良く宥めるように叩いてくれる彼の優しさがさらに染みて、今度が嗚咽を漏らしながら泣き出す私。
リ「もう … どっちが主役だかわかんなくなっちゃったじゃんか」
リサさんは倒れ込んでいる私たちの傍に腰を下ろして、殺気抱き着いた拍子に落としてしまったブーケを今度は手渡しで渡してくれた。
リ「 … さっき言ったこと、本当になったでしょ?」
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします!!! (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます!玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2019年10月18日 14時