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『この衣装どこから持ってきたの … 』
控室に用意してあったのは、あの時オーディションで着ていた衣装。
玲「 … さぁ?」
『さぁって … 』
玲於がどこかに隠し持ってたんだろうな、きっと。
ちゃんと今の体型にリサイズしてあって、ただ放置してあっただけじゃないのは見てわかる。
ふふっ、素直に言ってくれればいいのに。
久しぶりにその衣装に袖を通すと、自然と背筋が伸びる。
あの時の気持ちも思い出も、全部一瞬で甦ってくる。
涼「なんか、今の僕たちにはこれって合わなくない?」
『いいじゃないですか、今日は同窓会ってことで』
鏡の前に私が立って居ると、後ろから涼太君が抱き締めてくれる。
涼「なんでいきなり敬語に戻ったの」
『雰囲気も青春時代に戻そうかと思いまして』
涼「なにそれ」
首に巻き着いている彼の腕に手を添えて、鏡越しに写真を撮ろうとするとその後ろに龍友くんが飛びついてきた。
龍「仲間外れはアカンで」
『そんなないですよ』
再びシャッターを押そうとした時、「待って」と涼太くんが後ろに振り向いて手を伸ばす。
涼「こいつのこと忘れてる」
玲「ちょ … っ、引っ張んなってっ」
首根っこを掴んで引っ張ってきた玲於は歩きづらそうに、カメラのフレームの中に入ってきた。
『じゃ、撮りますよぉ』
――――――――――――カシャッ、カシャカシャカシャカシャッ
龍「なんで連写してんねん」
『だって、この時間のこといっぱい残しておきたいんですもんっ』
涼「またリビングの写真増えるね」
玲「 … 俺コマ送りで絶対こけてるよな」
確かに確認してみると、写真を送っていくにつれて玲於がこけていく連写になってしまった。
『ねっ、ここの玲於の顔すんごいことになってるっ』
涼「うわ、白目向いてんじゃんっ」
玲「ほら言っちゃじゃんか … 」
龍「ソレ後で送ってくれ、拡散してやる」
玲「 … それしたらマジで訴えますよ」
本番前にこんなことして笑ってるなんて、私たちも大人になったんだな。
前はガチガチに緊張していたはずなのに、写真みて爆笑してる私たちがいるなんて。
あの頃の私に伝えてあげたい。
『大丈夫、心配しないで』
あの頃から誰一人欠けることなく、今もこうして笑っていられるんだから。
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします!!! (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます!玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2019年10月18日 14時