#18 ページ18
.
ピリッとした雰囲気かと思ったら、そうでもなかった。
涼太くんの話や一昨年のあの一件で怖いイメージが付いていたけど、実はそうでもないのかもしれない。
――――――――――直「大丈夫ですよ、話が分からない方ではありませんので」
直己さんの言った通りかもしれない。
慣れないテーブルマナーに苦戦しながらも、何事もなく何とか食事を終えることができた。
母「Aさんはお仕事どうです?」
『は、はい … お陰様で軌道に乗ってきて、楽しくお仕事させて頂いてます』
母「まだまだ大変なことと思うけど、諦めちゃだめよ」
意外な言葉だった。
クラッシック音楽をやっている人にとって、バンドの音楽なんて興味なんて持ってもらえないかと思ってた。
それ以上に、嫌われているのかと思ってた。
『ありがと … ございます … 』
茫然とする私に、お母様は涼太くんとそっくりな微笑みで返してくれる。
母「この子なら、涼太と一緒になっても大丈夫そうね」
「ね、貴方」とお父様に語りかけ、それに対しての答えはもらえなかったのにお母様は嬉しそうに笑っていた。
母「ほら、こういう時は涼太がエスコートしてあげなさい」
「は、はい … 」
涼太くんも同じことを考えているのか、彼と顔を見合わせて目を丸くする。
でも、こんな絶好なタイミング逃すわけにはいかない。
2人で立ち上がり、改めてテーブルを挟んでご両親と面と向かう。
「お二人も、もうお察しの様ですが … 改めてご挨拶させてください」
涼太くんは私の腰に片手を当てる。
「AAさんと、結婚させて下さいっ」
『お願いしますっ』
2人で深く頭を下げて、どんな言葉が返ってくるのか不安で目をぎゅっと瞑る。
今までに感じたことのない緊張感。
一生に一度しか味わえないこと感覚に、足は震えてきそうで気付かれないよう必死に手で抑える。
ピンと張り詰めた空気を破ったのは、お父様の方。
父「 … 好きにすればいい」
その言葉に頭を下げたまま、涼太くんと視線が合う。
父「結婚を、認める」
顔を上げれば、今まで難しい顔をしていたお父様の表情は柔らかくなっていた。
母「おめでとう、涼太、Aさん」
なんて返していいのかわからなくて彼に助けを求めようとすると、涼太くんの瞳には涙が溜まっていた。
.
169人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします!!! (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます!玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜天 | 作成日時:2019年10月18日 14時