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彼女の残してくれたスケッチブックのおかげでステージ衣装が決まり、いよいよライブの準備も終盤に差し掛かってきた12月。
発売とライブは12月24日。
雅紀の誕生日で俺たち恒例のクリスマスパーティーの前日、今年はこれがパーティー代わり。
連絡をしたら来る気満々な返事が返ってきたからしょうがないから人数分は入れる席は用意してやった。
そこで智くんの彼女さん初披露らしい。
チケット完売状態で席確保するのがどんだけ大変だったかわかってるんですかね、あの人たちは。
打ち合わせが終わり、珍しく自分1人で帰ろうと外に出るとあまりの寒さに身震いする。
「さみっ」
そそくさとタクシーに乗り、自宅へ向かってるとスマホが震えメッセージが一つ表示されていた。
智《今どこ》
素直にどの辺って返すのも嫌だったから《タクシーの中》って返すとすぐに既読が付き、《リッチだね》と返ってきた。
「 … 何この人」
そこから返事を返さずに家の前にタクシーが着いて降りる。
寒すぎて早足で中に入ろうとした時、見慣れないバイクがエントランスの傍に停めてあるのが目に入った。
でもそんなのあまり気にせずフロントに入ると、すぐ隣で隅の方で小さく丸まってる智くんが居て思わず「うわっ」と声を出してしまう。
智「 … さみぃ」
「いや、それは同じなんですけど、何してるんですか … 完璧不審者さん、ここ一応高級マンションなんですけど … 」
智「 … さみぃ」
「わかったから … 中入る？」
智「今から出かけるぞ」
「 … は？」
言ってる意味が分からなくて眉をひそめて彼を睨んでると、ヘルメットを一つ投げられて咄嗟に受け取ってしまった。
智「連れてってやるよ、あそこに」
「意味わかんない」
智「俺の彼女んとこ。今から連れてってやる」
「遠慮しときます」
中に入ろうとすると智くんに腕を引かれて阻止されてしまった。
智「Aと約束したのに連れてけなかったし、会わせてやれなかったから」
「だったら、今じゃなくてもいいんじゃ … 」
智「だめ、連れてきたくなったから連れてく」
俺の意見なんて無視してズルズルと引っ張られてまたあの極寒の外に出される。
手を離したと思ったらバイクにエンジンを掛けて嫌な予感が過る。
「ちょっと待って … この寒い中バイクで … 」
智「早く乗れや」
「最悪 … 」
ていうか智くん。
いつも間にバイクの免許取ったんですか。
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夜天(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、虹きみを読んで頂きありがとうございました！ (2020年1月6日 19時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - meiさん» コメントありがとうございます！顔面をそんなにして頂いたなんて…ありがとうございます！ (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 久しぶりに沢山泣きました。こんな感動する小説を書いてくださりありがとうございました (2019年12月14日 4時) (レス) id: cd190f001a (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 泣きすぎて顔面とんでもないことになってしまいましたw感動しました！ありがとうございました！ (2019年11月25日 15時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - PEANUTSさん» コメントありがとうございます！その言葉が何よりの励みです！ありがとうございます (2019年5月29日 18時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月19日 22時
