【完】角名倫太郎の５つの噂【角名倫太郎】

＊ ページ22

『………』


治「………」




『……噂…』


治「……噂？」





『………噂が、気になっちゃって』


治「どんな噂なん」





『…”角名くんは、昔の初恋を拗らせているらしい”』




治「！」




『拗らせてるってことは、今も好きってことでしょ？
…だから、私はからかわれただけだったのかもしれないなって思って

角名くんと会ったのはここが初めてだし…私は昔の初恋相手じゃない』








治「………それ、俺知ってんで」


『…え？』


治「……あいつの初恋の相手
前に聞いたことあんねん」



『……そうなんだ、この学校の人？』



治「…Aちゃん」


『…ん、なに？』




治「…やから、Aちゃんなんやって
角名の昔の初恋相手」




『………え、ち、違うよ…
だって…私、角名くんとは…』



治「……Aちゃんが転校してきた時に言うとったんや
やっと会えた、って

名前も顔も変わってない、間違いないって」



『そ、そんな…人違いだよ…きっと』



治「……名前も顔も、ピンと来うへんの？」



『うん、もし同じ学校だったら名前はわかると思うし…

それより小さい頃は…女の子の幼なじみならいたけど…』






治「………俺、角名に聞いたるわ
いつの初恋か」



『えっ……

……い、いいの？』



治「うん、任しとき
真相確かめてスッキリしようや」



『……ありがとう…治くん…』



治「いーえ、ツムが迷惑かけたからな」




侑くんの兄弟で、角名くんとも仲良くて
一番大変だろうに私にまでこんなに優しくしてくれて…

治くんには今度コンビニスイーツを奢ってあげよう

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