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『それは違う...、湧は何も悪くなかった......それなのに私、自分のことしか考えられなくて、あんなこと、......』
『ずっとね、後悔してた...』
綺麗な涙を頬に伝わせたまま、私を見据える湧に歩み寄った
『湧は、何も悪くないよ』
「っ、」
『あの日、酷いこと言ってごめんね...？』
それは、あの日私が言えなかった言葉だった
ずっと、言いたかったその言葉をやっと伝えられた
ずっと、胸につっかえていたものが外れたように心が軽くなった
「...ありがと、」
初めて、湧に抱き締められた
2年半隣にいなかっただけなのに、何だかすごく大きくなったような気がする
背中に回った手が少し震えてるのが何だか愛おしくて、あぁ、やっぱり私の隣には湧が居ないとって
ゆっくり体が離れたあと、雑に涙を拭った湧は
「また、幼馴染みやり直してくれますか？」
って。
『...何それ、(笑)』
幼馴染みにやり直すとかあるの？って
でも、いいから！って差し出された手を拒むわけもなくて
お願いします、とそこに手を重ねれば
ずっとそこにいた安嶋くんが
いや〜よかった！なんて、謎に拍手をするから
湧と顔を見合わせて笑ってしまった
「えぇ！今おれが笑われてる？！」
「ごめんごめん(笑)あじ、まじでありがと」
『ありがとう、安嶋くん』
「当たり前じゃん、友達でしょ？」
そう言って笑った安嶋くんは、誰よりも優しくて誰よりも輝いて見えた
そして何より "友達" という言葉が嬉しかった
「あとさ、1個聞きたかったことあって、」
『うん？』
「足の怪我、もうなんともない？」
『え？』
「いや、結構包帯巻かれてたし、もし傷でも残ったらどうしようって思って、」
その言葉に、反射的に自分の右足に触れた
スカートの下、あの日の傷はまだここに残ったままだったから
だけど、今のこの空気で、本当のことは伝えられなかった
『...うん、大丈夫だよ』
私のその嘘に、よかったぁ、と心底安心したようにしゃがみ込んだ湧に
この時、この傷は一生隠して生きていこうって決めたはずだったのに
結局私は、何も成長なんかしていなかった
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ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
