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「え、お前ら近くね？」
開口一番、表情を変えずそう言った湧に
更に早くなる鼓動
どう誤魔化そうか、と考えたくても回らない頭に焦りは募るのに
「Aちゃんの前髪に消しカス付いてたから取ってあげただけだよー、」
いつの間にか手にしていたそれを掲げた颯太くんは
ほら！なんて何故か楽しそうに湧に見せつけてて
うわA何してだよ〜なんて、さっきの怪訝そうな顔はどこかに飛んでって、バカにしたように笑う湧
心臓はいつもの倍くらい早く動いていて、煩くて、みんなに聞こえちゃうんじゃないかって
それなのに当の颯太くんはあじくんに貰ったアイスにわーい、なんてすぐに袋を開けてるから、やっぱり自分だけドキドキしてるのがちょっとだけ悔しい
「Aちゃんはこれでよかった？」
『...え、あ、うん！好きなやつだよ、』
「ほんと？良かった〜」
だけどこういう関係を続けている以上、他の人の前では普通に振る舞うことは最低条件なわけで、
慌てて笑顔を見せたけど、上手く笑えていただろうか
「え、てかお前髪下ろしたの？」
「あ、ほんとじゃん」
アイスを食べ始めて、やっぱり私は髪を下ろしてるイメージの方が強いのか2人とも全然触れてこなかったなら安心していたのに
突然の湧の言葉に思わずアイスを食べる手が止まる
『っ...、うん、クーラーでちょっと寒くなったから、』
咄嗟に付いた嘘に、あじくんは、大丈夫？温度あげようか？って、相変わらずの優しさを見せてくれたけど
目の前に座ってる湧は、じっと、真顔で私の首の辺りを見つめてるから、やばい、見えちゃったかなって、また鼓動が早くなった
『...わく？』
恐る恐る声をかけてみれば、なぜか勉強をしている時よりも真剣な表情が向けられて、金縛りにでもあったみたいに動けないまま湧の言葉を待った
「...お前毛先傷んでね？切った方がいーべ」
『なっ、！わ、分かってるよそんなこと、...』
もう終わりかも、なんて身構えていたのに返ってきた言葉はそんなもので
なんかちょっとデリカシーないけど、バレてないことに安心してほっと胸を下ろす
だけど、さっきから気持ちがあっちこっちぐちゃぐちゃで、せっかくあじくんが選んでくれたアイスの味が、何味かももう分からなかった
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ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
