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*
お粥を煮込みながら、勝手に溢れてくる涙を袖で拭った時だった
「Aちゃん、？」
さっき私が貼った冷えピタをつけたままの彼がこちらを覗いていて
ふらふらとこちらへやってきた
『っ、ダメじゃん、寝てないと......お粥、もうすぐできるから、』
「ねぇ、泣いてるの、？」
『泣いて、ないよ...』
嘘つき、って私の頬を包む彼の手はやっぱり熱くて、立ってるのもしんどいってわかるのに
とろんとした目で真っ直ぐ突き刺さる視線から、逃れることができなかった
『っ、なんで、降りてきたの......』
「だって...Aちゃんさっきへや出てくときからもう泣きそうなかおしてた、」
病人に心配かけて、本当に自分が情けなくなった
逃げることも上手くできない自分に腹が立った
私なんかがユウちゃんに勝てるわけがなかった
「ね、...なんでないてるの、俺のせい、？」
『違う、！』
「じゃあ、なに？」
『..........好き、だから、』
「え、？」
『颯太くんのこと、ずっと好きだから...っ、』
もう自分でも自分をコントロール出来なかった
辛くて、苦しくて、情けなくて、こんな自分大嫌いだって
こんな自分、嫌われてしまえばいいって
そうすれば私が楽になれるから
自分勝手な告白だった
『.....ユウちゃんとは、ずっと友達でいたい...だから、
ちゃんと私のこと、振ってほしい......』
お願い、私の最初で最後のワガママ聞いて？って
図々しいにも程がある、だけど恋愛経験の乏しい私にはこれ以外、彼のことを忘れる方法も、自分が楽になれる方法も分からなかった
颯太くんとはもう、普通の友達には戻れないかもしれないけど、その方がきっといいに決まってる
そう思ったのに......
「......ずるいよ、Aちゃん、」
『え...？』
やっぱり彼の言動は不思議で読めない
「...もう、遅いよ＿＿＿」
キッチンの中だった
火にかけっぱなしの鍋からはグツグツと音が鳴っていて、きっともう食べ頃だ
それなのに、なぜか倒れ込んだそこで、私を見下ろす彼の瞳は熱のせいか、水分量が増していてユラユラと揺れていて、やっぱり逃れることができない
『そう、たくん...？』
「...俺いま、かぜひいてる」
『う、ん...』
「だから、ゆるして」
初めて重なった唇は、私に熱を移すようで、苦しくて、愛おしかった
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ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
