第20Q:お返し ページ22
ここで、点を取りたい日向だが、ここまでの勝負。体力に限界を迎えボールをカットしようにも思ったように動けない。
それを見計らい笠松がシュートモーションに入る。
誰もが海常の勝ちを確信した瞬間
__バシッ
「まだだ!!」
笠松のボールを奪い取ったのは火神だった。
そのまま全力で駆け上がるも背後からは黄瀬もすぐに追いかけてくる。
火神「黒子っ!」
ボールを黒子に渡した火神。黄瀬は違和感を見つけるがすぐに理解する
黄瀬「(黒子っちにシュートはない。
2人だったら火神にリターンしかないっス!!)」
リターンかと思いきやらシュートを打つ。
『パスミス!?』
笠松「じゃねぇ.......アリウープだ!」
黒子の背後から火神がボールを受け取りに向かう。
黄瀬「させねぇっスよ!!」
火神と黄瀬が同時に飛んだ。
『まさか.......』
しかし、先に落ちたのは黄瀬の方だった。
黄瀬「まだ…いつまで…!?」
火神の滞空時間の長さに黄瀬は目を疑う。
火神「テメーのお返しはもういらねーよ…。」
___「ブザービートで決めちゃえばいいんです。」
火神「これで終わりだからなっ!!!」
__ガコンッ
火神がボールをぶち込んだ。
_ピィィィィ
試合終了の合図。
100-98 で 海常は 敗北した。
「うわぁぁぁぁあ!!!誠凛が勝ったァ!!!」
海常のメンバーはため息をつく。
しかし、ベンチに座っていた天神は黄瀬の様子が気になった。呆然と立ち尽くしていたからだ
黄瀬「負けたん…スか?」
黄瀬の頬を涙が伝う。
黄瀬「(生まれて初めて…負け…た。)」
ぽろり、ぽろりとこぼれる涙は止まることを知らない。
『...黄瀬くん。』
その姿に心を打たれたのは天神だった。
『(帝光では負け知らず・・・そっか・・・
黄瀬くんにとったら初めての負けなんだよね・・・)』
いつまでも泣く黄瀬に声をかけたのは笠松だった
__バキッ
もっとも声をかけたより蹴飛ばしたのが正しいのだが。
笠松「メソメソしてんじゃねーよ。つーか、今まで負けたことないって方がなめてんだよ。シバくぞ!!」
そんな笠松と黄瀬の姿に天神は安心して微笑んだ。
笠松「そのスッカスカのオマエの辞書にリベンジって単語追加しとけ!」
天神の頬にもまた涙がぽろりとこぼれ落ちた。
「整列!100-98で誠凛高校の勝ち!」
「ありがとうございました!!!」
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作者名:水無瀬。 | 作成日時:2020年1月3日 15時