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＿ｻﾞｧｧｧｧ
降りしきる雨を窓の中からじっと見つめる。
『……イヌピー君』
「ん？」
『10年後の自分が何してるか、考えたことある？』
「いきなりだな」
『いいからいいから』
花垣武道が六波羅単代に狙われている
乾が聞きつけたその噂にドラケンは慌てて外へ飛び出した。
きっと帰ってくる。そう分かっていても不安で。
雨の音ばかりが響くバイクショップでじっとするには
些か心細かったのだ。
「いうて変わらないんじゃ？
まぁ、もう少し商売になっていってればとは思うけど」
『ふふ、このままだと破産まっしぐらだもんね？』
「それはごめんだな。んで、そういうお前は？」
『うーん…………』
いつだって、私は多くは望んでこなかった
幸せと程遠い私の世界の中でただ1つ欲しいのは
『……ふつーの暮らしでいいかなぁ』
ただ、ふつうに。それだけで
『あ、短冊の願い事
織姫と彦星が無事に会えますよーにって書こ』
コロコロと変わっていく彼女の話題に乾もとことん付き合った
【12年後の私へ】
大切な場所はいつも無くなっていく。
だけどもし、今の貴方も何かを失ったとしたら思い出してね。あなたにはマイキーがいてマイキーにはあなたが居る。
【過去の私より】
＿＿＿「武道、マイキーに言っておいてくれ」
「え？」
「あんまり世話やかせんな…ってよ」
一瞬が長く感じられるほどの時間だった。
「オレはここまでだ」
どさりと倒れたドラケンの胸から溢れる血。
大切なものはいつも手からこぼれ落ちていく。
「(音がねぇ……手が思うように動かない……)」
ぼんやり見上げる霞んでいく空
「オレは……死ぬんだな……」
「何言ってんすか！明日にはけろっとしてますよ！」
「自分を責めるなよ？」
こうなったのは、武道が過去に来たからじゃない。自分の意思で選んだことだから。
「お前にもらった命、お前のために死ぬんだ」
昔は喧嘩して負けてよく見てた景色＿＿＿
マイキーの知らないこの空を。
「……オレがどうにかしてやりたかった」
全部背負い込んでそれでもなんとかしちまうマイキーのこと。
1人じゃ立ってられない位弱い癖に大人の殻かぶって平気なフリするAのこと。
それが叶わないのならせめて
「１個だけだせぇこと言っていいか？」
「……はい」
「マイキーを、Aを頼む」
「…………はい!!」
脳裏によぎる東卍の日々。
大切な宝物たちを＿＿＿＿＿＿。
「今いくぜ、エマ」
その日、ドラケンはそっと息をひきとった。
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SEI(プロフ) - メイデーアさん» こちらこそありがとうございます!!半間自身、興味なのか愛ゆえなのか曖昧で気づいていない(気づかないようにしてる)部分はあるのかなと思いつつ。一応書きながら何個か分岐点があったのですが、そのうちのどこかでは夢主が半間を選ぶ未来もありました！ (7月18日 15時) (
レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 素敵な作品をありがとうございます。半間の心の中に夢主ちゃんに対する愛情があったのかどうかはわからないけれど、でも、あったなら、報われてほしい。 (7月17日 15時) (レス) @page28 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 茉莉さん» こちらこそ！この作品とであってくれてありがとうございます。 (6月26日 3時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - めっちゃ泣きました。素敵な作品ありがとうございました！！ (6月24日 23時) (レス) id: 8d9e72013a (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - sunnaさん» 私もsunnaさんに読んで貰えて嬉しいです！原作のような笑いと涙の丁度いい塩梅でかいてたので、そう感じてもらえたなら何よりです！ (2024年6月7日 3時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEI | 作成日時：2024年5月13日 23時
