メロン、参上 ページ10
パッショーネに来てから、一週間がたった。
ある程度傷も治ってきて、熱を出すことも無くなった。
体調がいい時は、本部の施設内にある図書館へなら行ってもいいと言って貰えた。
異変があればすぐに連絡するという約束付きではあるが。
イタリアに来てから本を読むこと自体ほぼ無かったから…こうして知識が増えていくのを感じると、楽しいと思える。先生との話題も増えるしね。
文字はお母さんに一通り教えて貰っていたから、困ることは無い。
今日はなんの本を読もうか…童話はあるのかな?
そう考え、図書館内を探索する。
「君…健康状態は、良好ですか?」
「もしもし先生、変質者です。明らかに変態な格好をしたマスク男が健康状態を聞いてきます助けてください」
「まって、その人呼ばないで、カビるから」
「冗談ですよ」
「シッテタ」
今日も会ったか…まぁ、嫌な人ではないし、いいのだけれど。
いつ来てもいるなぁ、メローネさん…暇なのか?
「暇じゃないよ。俺がいる時に君が来るんだ。たまたまだよ」
心を読む能力でもあるのかこの人、怖…
まぁ、いいか。まだここに来て一週間なんだ。図書館への出入りを許されたのは二日前だし、連続して会ってもおかしくは無い…はず。
「それより、何かを探していたようだが…良かったら、一緒に探そうか?」
「あー…童話を探してまして。ありますか?」
「童話?そんなの、ここにあったかな…」
「あー…ないなら、別にいいです…読んでみたかったけどなぁ」
こちらの童話を知らないので、何があるのだろうとわくわくしていたのだけど。ないのならば、仕方がない。
本を読む気もなくなっちゃったな…今日はもう、部屋に帰ろう。
メローネさんにまたねと声をかけ、背を向ける。
「あぁ、待ってくれ。確かにここに童話はないが…俺個人は持っている。少し待ってくれれば持ってくるし、読み聞かせもするが」
「え、まじで?貸してくれるの?」
「あぁ。Aにだけ特別に…ね」
ニコッと、性格を知らない女性がみたら一発で落ちるような笑みを浮かべ、そう言った。
読み聞かせかぁ…昔、お母さんがしてくれたっけ。懐かしいなぁ…
「……メローネさんがいいなら、読み聞かせしてほしいな」
「あぁ、もちろん構わないよ。それじゃあ、少しだけ待っていてくれ」
そう言ってメローネさんは、図書館を出る。
イタリアの童話か…どんな話があるのかな。
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馬刺し(プロフ) - 銀閣 萌奈華さん» えぇ、勿論です!私の作った子であると分かるようであれば問題はありません。描いていただけるなんて光栄です!詳しい設定はTwitterに記載してありますので、お手数ですがそちらをご確認ください。 (2020年2月29日 17時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
銀閣 萌奈華(プロフ) - 馬刺しさん» 私、イラスト集を作っているんですが、良ければ夢主ちゃんの絵描かせてもらっても良いですか? (2020年2月29日 17時) (レス) id: 0f825d67dc (このIDを非表示/違反報告)
馬刺し(プロフ) - 銀閣 萌奈華さん» ご存知でしたか!何度も検索をかけて、イタリアにある童話で出てきた作品だったので…そのお話を聞けて嬉しいです。コメントありがとうございます。 (2020年2月29日 7時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
銀閣 萌奈華(プロフ) - あ〜三つのオレンジ知ってる!お母さんイタリア人だから読み聞かせしてくれてたなぁ。懐かしい(*´-`) (2020年2月28日 23時) (レス) id: 0f825d67dc (このIDを非表示/違反報告)
馬刺し(プロフ) - いずもさん» ありがとうございます!原作もかっこいいですし、原作を軸にしたものも好きですが、やはり平和に、ほのぼのとした世界もいいですよね。 (2020年1月24日 6時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:馬刺し | 作成日時:2020年1月16日 8時