もしかして、ナンパです? ページ17
お店にはオレンジジュースも置いてあった。しかもかなり美味しいやつ。相場を知らないから高いのか安いのかは知らないけれど、美味しいのでまぁいいだろう。
店の中で飲み食いするのは良くないだろうし、早く飲み干して戻らねば…バレたら怒られる。
「ねぇ君、一人?よかったら俺とお茶しない?」
「すいませんたった今ジュース飲んで満足したところなので」
何、この人。急に肩に手を置いてきて。びっくりした…
というか、手に持つこれが見えないのか?どう見ても飲み物入ってるやつじゃん、目の前で飲んでるじゃん、それでなんでお茶に誘う?
あれか、これがナンパと言うやつか。トリッシュが言ってたぞ。
えぇー…やだぁ…顔良くないよこの人。
パッショーネの人みんな、顔が採用基準ですかと思うくらい美形ぞろいだから目が肥えちゃってるんだよな。私は、割と面食いのようだし。
さてこれどうしようか…下手に返してキレられるのも嫌だし、かと言って無視し続けるのもどうだろう…んー…
「無視は悲しいなぁ…ねぇ、お腹すいてない?美味しいリストランテを知っているのだけれど」
「あー、いやその…」
「申し訳ありません。彼女は僕の恋人なんです」
ぐいと腰を引き寄せられ、そんなことを言われた。
「探しましたよ、A。黙って離れちゃあダメじゃないですか」
「あ、ごめん…」
「心配したんですよ?…すいませんが、これから彼女とデートなので」
にっこりと、怒りを滲ませた笑みを浮かべるジョルノ。
そんな彼を見て男性は「素敵な彼氏がいたんだね。済まなかった」と言って、にこやかに離れていった。
「勝手に居なくなってごめんね、ジョルノ。少しだけのつもりだったの」
「大丈夫ですよ。店の目の前でしたし、すぐに見つかりました。…あの男に、なにかされましたか?」
「大丈夫、何も無かったよ。…ごめんね?恋人なんて嘘つかせちゃって」
申し訳ないと思いつつそう言えば、ジョルノは何故か悲しそうな顔をうかべた。
…なんで、そんな顔をするの?
そう聞こうとしたけれど、次の瞬間にはいつもの笑顔がそこにあって、聞けなかった。
「さぁ、みんなが待ってますよ。早く戻りましょう」
「あ、うん。急ごう」
ゴミをゴミ箱へ投げ入れ、私は店へと戻った。
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「嘘、か……いつか、それを本当にしたいんですけどね、僕は」
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馬刺し(プロフ) - 銀閣 萌奈華さん» えぇ、勿論です!私の作った子であると分かるようであれば問題はありません。描いていただけるなんて光栄です!詳しい設定はTwitterに記載してありますので、お手数ですがそちらをご確認ください。 (2020年2月29日 17時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
銀閣 萌奈華(プロフ) - 馬刺しさん» 私、イラスト集を作っているんですが、良ければ夢主ちゃんの絵描かせてもらっても良いですか? (2020年2月29日 17時) (レス) id: 0f825d67dc (このIDを非表示/違反報告)
馬刺し(プロフ) - 銀閣 萌奈華さん» ご存知でしたか!何度も検索をかけて、イタリアにある童話で出てきた作品だったので…そのお話を聞けて嬉しいです。コメントありがとうございます。 (2020年2月29日 7時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
銀閣 萌奈華(プロフ) - あ〜三つのオレンジ知ってる!お母さんイタリア人だから読み聞かせしてくれてたなぁ。懐かしい(*´-`) (2020年2月28日 23時) (レス) id: 0f825d67dc (このIDを非表示/違反報告)
馬刺し(プロフ) - いずもさん» ありがとうございます!原作もかっこいいですし、原作を軸にしたものも好きですが、やはり平和に、ほのぼのとした世界もいいですよね。 (2020年1月24日 6時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:馬刺し | 作成日時:2020年1月16日 8時