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Fside
「…ごめん、ごめん北山」
サーっと、上り詰めていた怒りが冷めていく感覚がする。
北山の目から雫が溢れ、俺は何をやっているんだと情けなくなった。
下着を下げた瞬間に、赤色に染ったシートが見え、血独特の匂いが漂った。
北山が生理中だということをすっかり忘れていたのだ。
鼻を啜った北山が、俺の肩を力強く押してベッドから降りた。
下着を戻し、寝室を出ようとする。
「待って、待って北山！！」
「…うぅ、っ」
後ろから捕まえて抱き締めると、北山はポロポロと泣き出した。
「こんなの、見られたくなかった…っ」
「ごめん。本当にごめんね…」
俺以外の奴に好かれて、ニコニコそいつと話していたことに昼間っからイライラしていて、家に着いた瞬間爆発してしまった。
優しく断っていただけなのは分かっていてもだ。
だからって、冷静に行動ができなさすぎた。
何も北山のことなんて、考えてなかった。
「俺も…ごめん。藤ヶ谷が番になってくれたから、こうやって普通に生きられてるのに」
「…ううん。あんなこと本心じゃないって分かってるから気にしないで。北山、お腹痛くない？」
「…痛い」
「温めなきゃ。ベッド戻ろう」
俺に圧をかけられて、青ざめてるんだと思っていたが、違うかった。貧血で顔色が悪いのだ。
ベッドで鼻を啜る北山は、白い顔なのに鼻の頭だけ赤くしていた。まだ時折涙が流れる。
「ごめん…泣かないで、ごめんね」
コクコクと頷く北山に蒸しタオルを渡すと、目元に当ててくれた。薬と湯たんぽも持ってこよう。
「仕事中、大丈夫だった？」
湯たんぽをお腹に当てて丸まる北山に問いかける。
小声で痛かったよと言われた。
「…ほんと周り見てなかった。ごめん」
「ううん…まあ、仕方ないことだから」
北山の言う仕方ないというのは、そういう生き物だからという意味だろう。
俺はαで独占欲でおかしくなってしまうし、北山はΩで生理がきてしまうのは、どちらも抗えないからということ。
でも違う。そういうことじゃない。
恋人を大切にできないのは違う。
俺はさっき具合の悪い体を、壁に押し付けたし、ベッドに投げ捨てたのだ。
「んな顔すんなよ」
北山にスルッと頬を撫でられる。
来て、とベッドをぽんぽんと叩きながら言われて、横に潜った。
「今からちゃんと労れよ」
「…もちろん」
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
