�� ページ7
「では！カンパーーーイ！！」
皆深澤に向かってグラスを傾ける。
深澤が東京に戻ってきたということで、同期が集まり飲み会を開いた。
入社以来の気の置けない仲間に囲まれて、彼も楽しそうだ。
端の席でちびちびお酒を飲みながら好きな男を眺める。。これがなかなかに楽しい。
「なにニヤニヤしてんの」
「結衣。まだ帰ってなかったの？彼氏大丈夫？」
「同期の飲み会だよ？ケチつけてきたら別れる！」
「なーに言ってんの」
「。。若い頃はさぁ深澤をめぐる女の戦いがあったりしたけど、ヤツ結局誰とも付き合わないし、名古屋に行って静かになったけど戻ってきて、どうかねぇ』
私の隣から真ん中の席の深澤を見つめる結衣。
「ま、あの頃とは違ってみんなもう30だし、現実的な相手探してるよね」
「結衣みたいに、ね」
「そうそう。Aだって私の彼の友だち、いつでも紹介してあげるのに」
「ありがと。切羽詰まったらよろしく」
一次会が終わり、結衣と別れて駅までの道を歩く。
現実的な相手、ね。。。
この歳になって彼女がいる男に恋するなんて、非現実的だよ
な。。
不毛、という言葉が頭をかすめたところで、後ろから肩を叩かれる。
「おいっっ！！」
「わっっ！！」
「。。。え？そんなに驚くか？バケモンじゃねーんだぞ？」
「ふかざわ。。？どうしたの？」
「どうしたの、って。、さっきから何回も呼んでんのに」
「え！ごめん、考え事してた。なになに？」
「。。。や、いや、俺も駅こっちだから一緒に帰ろうと思って」
「。。。え？主役が、帰るの？？」
確かさっき店の外で二次会の話してたはず。。
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作者名：しろ
| 作成日時：2022年10月7日 22時
