先代のNo. 1リベロは

二十四話 ページ25

変わらずエースさんは俺を狙ってくる。


サーブは多少乱れてはしまうが、拾えないことはない。

そしてスパイクレシーブは、


ドパッ

「……っ、」


…めちゃくちゃ痛い、けど、上げられる。



というのも俺が頼んだ通り、ブロックはクロスを締めてストレートを開かせてくれたから。


それによって俺は正面で受けられる。


…けど、





ドドッ！

「…っ」




それはスパイク位置が片方に寄っていて且つちゃんとブロックが揃ったらの話で、全部が全部そうじゃない。



また押されてる、しかも多分一セット目より。


苦しいな……それでもされるがままじゃないから、突破口はある。

もっと集中、しよ。

俺は小さく息をはいて、さらに神経を研ぎ澄ませた。




………




こっちのサーブ、向こうは拾う、トスが上がる、囮、ブロックつられた、そんでエースさんのバックアタックは、


ドパッ


「上がりよった…」「けど」


長い…！

すぐダイレクトで打たれる、近くの人が打ちに入ってきてる、押し合いにはこっちの反応が遅れてる、拾うには近すぎ、


なら



ドッ

ドパッ


「！？」「…まじ？」

後ろに飛んで、また拾う！



「………止めらんねぇなら、拾わねぇと」


……って言っちゃったからね。


その上げたボールはさっきのバックアタックの時よりも不安定な体制、にも関わらず完璧だった。

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