prolongue ページ2
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15歳、春。
私は運命の出会いを果たした。
と、言ってもそんな少女漫画のような展開の出会いではない。
何故なら、私の運命の出会いを果たしたお相手がおじいちゃんだから。…もう一度言う。おじいちゃんだから、だ。
しかも、別にそのおじいちゃんと血の繋がりやらなんやらがある訳でもない。ただ、ブラブラ街を歩いていたら人気のない裏路地でしゃがみ込んでいたから心配で声を掛けただけである。
『あのー、大丈夫ですか?』
「あ、あぁ。大丈夫じゃよ。ただ、ちょいと足を、ね…」
そう、心配で声を掛けただけ。
でも、足を摩りながら困ったような顔をされちゃ私の良心というものが動いてしまう。私はその場にしゃがんでおじいちゃんに背中に乗るようにと言葉を掛ける。
おじいちゃんは和かに微笑んで「ありがとう」と言って私の背中に乗った。…ふふん、いい事をした気分だ。
『足…診てもらった方がいいですよね。』
「いやいや、大丈夫。少し捻っただけじゃから」
『そ、れは……うん、まぁ…アナタがそう言うなら…』
いや、絶対に大丈夫じゃないだろ。
そう思ったが、本人が大丈夫だと言っているのだ。そこは本人の意思を尊重しよう。と割り切っていたらおじいちゃんが「そこにあるベンチで少し、降ろしてもらえるかね」と言ってきたので私は素直にその指示に従い、おじいちゃんを降ろした。
「ありがとう。…お嬢ちゃんは、優しい子なんじゃね」
『いやいや、私の良心が動いただけと言うか…笑』
「…それでも、じゃよ。…本当にありがとう。」
おじいちゃんはそう言ってまた、和かに微笑んだ。…正直言ってこんなに感謝されるとは思ってはいなかったが、おじいちゃんが言葉にしてくれているのだ。素直にその言葉を受け取ろう。そう思い、口を開こうとした瞬間、目の前にいたおじいちゃんは人が変わったように底抜けに明るくなった。
「いや〜、良い良い!」
『あ、あの……え、?』
「君、明日からわしの学園生ね!」
『………………は?』
15歳、春。
これが、私の運命の出会いだった。
いや、まじで意味分からん!!!!
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作者名:名なし | 作成日時:2024年4月18日 0時