飛蝶 - 最愛の人 - (ページ20)

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ここに来て、一週間が経って、私は沢山の仕事を覚えた。

小『Aちゃん』

「あ、小瀧さん」

小『今、ええ？』

「あ、はい、」

自分の部屋で仕事をしていると、スーツを着た小瀧さんがひょこっとドアから顔を覗かせて。

「どうかされました？」

目の前に座るなり、一枚の写真とメモを渡される。

小『やって欲しい仕事があんねんけど…。あ、濵ちゃんには了承済みやから安心して。』

「はい、」

小『この男やねんけど、一年前からキャバクラ通ってそこで作った借金が返済されてないんよ。何回も家には取り立てに行ってんねんけど、なんせ警戒心の強いやつで、俺らが行くと絶対に出てこうへんねん。そこで、Aちゃんの出番！』

「私の…？」

小『この店に一日だけ入って、どうにかアフターで男の家まで同行して欲しいねん。上手いこと誘導できたら、待機しとる俺らとバトンタッチで任務完了』

メモには、その男の名前と家の住所。

どうやら、お店は組が経営してる所らしく、
私たちは簡単に出入りができるらしい。

小『Aちゃんは新しく入ったって事でスタッフに紹介してもらえば自然に近づけるから』

「…こんな重要な仕事、大丈夫でしょうか」

小『俺が見る限り、Aちゃん落ち着いとるし、最初はなんでも不安やとは思うけど。俺らがフォローするから』

「…わかりました、」

小『じゃ、頼むな明日。』

渡された写真の男をしっかり覚えて。

初めての大きな役割に不安になりつつも。

絶対に失敗できないから、やりきるしかない…