飛蝶 - 最愛の人 - (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:31,652 hit

．ページ2

なかなか寝付けなくて、ぼーっとしていると、

ピンポーン ─────

滅多に鳴らないインターフォンが、深夜のアパートに響いた。

モニター越しに来客を確認する。

「えっ、……………」

黒ずくめのスーツを着た男が二人。

心臓ら辺がざわざわして、応答のボタンなんて押せるわけない。

絶対、ヤクザか何か。

…お金を回収しに来たに違いない。

ピンポーン、

もう一度鳴ったインターフォンに、思わず肩がビクッとなって。

居留守を使って息を潜む。

幸い、夜中で間接照明しか付けてないから、中から明かりが漏れることもないはず。

ドンドンっ、

「っ……、」

ドアを叩く音に思わずしゃがみ込めば、足が震えて立ち上がれない。

お願い、どっか行って…

暫くして、諦めたのかモニターから男たちは消え、また静かになった。

安堵から床に座り込むと、初めて自分がヤバい状況に置かれていることに気づく。

「…どうしよう」

早く、此処から引っ越さないと。