は じ め ま し て 、 化 物 で す 。

化物とはじめまして ページ5

Noside






…ｶﾞｷｨﾝ!



門を開けたとたん聞こえた金属同士がぶつかる音

一つは三日月が構える刀から
もう一つは、柚月が構える刀から



？「っ！？…こんな驚きはいらないなぁ

何故、人間を守ろうとする？
その感じ、元はブラック本丸の刀だろう？」



三日月「確かに、元はブラック本丸の刀だったが
主に救ってもらったからな

すまんが、ここは通せぬぞ…鶴丸」



三日月と刀を交わすのは、傷ついた鶴丸国永

柚月と刀を交わすのは…



？「人間なんて、いらない
清光を傷つけた人間なんていらないよ！」



傷ついた大和守安定





互いに一歩も譲れない競り合い
ピリピリとした空気と緊迫した雰囲気



それを破るのは



貴方「あのー、」



柚月の間の抜けた柔らかい声だった



貴方「わざわざお出迎えありがとうございます
取り敢えず刀を仕舞いましょう？」



安定「は？」



鶴丸「は？」



唖然とする鶴丸と安定
安定に至っては柚月のいう通りに刀を仕舞う始末
鶴丸も頭に？を並べたまま刀を仕舞う
苦笑いする三日月と呆れる柊




貴方「さて、自己紹介から始めさせてくださいな

本日より此方の本丸の審神者となりました

ほぼ人間ではないようなものなので
どうぞ、化物とお呼びください」



安定「は？」



あまりの可笑しさに
安定は本日二度めの"は？"をかます



鶴丸「…っ、く、はははっ…」



安定「鶴丸さん？」



唐突に笑い始めた鶴丸に
三日月を除いた全員が首をかしげる



鶴丸「っはぁ、久しぶりに笑わせてもらった

まだ、あんたを信じた訳じゃないが
俺は鶴丸国永だ」



貴方「よろしくお願いしますね、鶴丸様」



渋々と安定も自己紹介をする



安定「大和守安定…」



貴方「大和守様ですね

お二方、どうぞ、宜しくお願い致します」



ため息をついて安定は後ろを向いて
柚月に声をかける



安定「案内するから着いてきて

鶴丸さんは皆を大広間に呼んできて」



鶴丸「ああ、わかった」



貴方「ありがとうございます」







道中はとても静かで
大広間に着くと大和守が先に入っていった



安定「呼んだら入ってきて」



貴方「分かりました」



閉められた戸の前で会話をする



柊「時雨様、気を付けてくださいね」



貴方「分かってる」



そうこうしている内に"入っていいよ"と
声をかけられた



貴方「さて、行きますか、三日月、柊」



柚月は大広間の戸に手をかけて襖を開けた

大和守と誰？→←化物と本来の目的

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す