化物と過去語り ページ14
貴方side
私が化物と呼ばれ始めたのは
一年ほど前でしょうか
その頃、私は
自身に霊力があるとを知りませんでした
私は政府の中で審神者様の対応を行ってたので、
霊力が必要ではなかったですし、
あるとも思っていませんでした
ある時、政府に一人の審神者さまが来ました
手には粉々になった刀身があり、
彼女は震える声で叫びました
"誰か、長谷部を…
私の大切なへし切長谷部を助けてくださいっ！！"
ってね
皆さんが知ってる通り、
折れた刀は直らないのが普通です
政府の役人は
泣きながら助けを求める審神者さまを
"もう、彼は直りません"、"戻ってきません"と
宥めて帰らせようとしました
でも、彼女は"お願いですっ"と
その場を動こうとしません
"彼女をどうにかしろ"
上司は私にそう命じました
私は彼女の前にしゃがみ声をかけました
"貴女の長谷部様になにがあったのですか？"と
彼女は泣きながら説明してくれました
"この長谷部様は彼女の叔父の代からいる古株で
優しい兄のような存在だった"
"でも、池田屋の戦いで検非違使に遭い
折れてしまった"
"叔父が唯一遺してくれた大切な人なので、
どうにかして直してほしい"
と、ね
それを聞いていた別の役人は
"新しい長谷部を出せばいいだろう"と言いました
しかし、彼女は"それじゃあ駄目なんです"と
まあ、当然ですよね
新しいのを出せば済む話ではないのです
私は何とかしたかったんです
泣きながら助けを求める彼女と、
彼女に大切に思われている長谷部様を
助けたかった…
ただそれだけの思いで、折れた刀に触れました
折れていても刀は刀
鋭く研ぎ澄まされた刃は元の形に戻そうとする
私の手を傷つけていきます
彼女の持っていた長谷部様が
少し歪だが元の形を取り戻した時、
刃に付着した血が光りました
あまりの眩しさに目を閉じたのです
そして、次に目を開けたときには
綺麗になった長谷部様がありました
彼女は、泣き張らした目を見開き
私にありがとうと言いました
すごく嬉しかったんです
誰かの役に立てたと、そう思ったんです
上司の言葉を聞くまでは
"折れた刀は直らないはずだ
それを直せるお前は、人間じゃない
嬉しいが一瞬にして絶望に塗りつぶされました
そして、悟ったんです
もう元には戻れないと
直った長谷部様を持った彼女は
私の心のなかとは対照に
とても嬉しそうに帰っていきました
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ぽこぽん(プロフ) - Momo_Tarouさん» ありがとうございます！更新頑張るので気長にご愛読下さいな(’-’*)♪ (2020年3月28日 8時) (
レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
Momo_Tarou(プロフ) - ぽこぽんさん» おめでとうございます！！読者としてもとても嬉しいです！！頑張ってください！！ (2020年3月28日 0時) (レス) id: d211bb56f4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 皆様のご愛顧のおかげで20000hitを越えました！作者として嬉しい限りです(*^^*)これからもどうぞご自愛くださいm(。_。)mﾍﾟｺｯ (2020年3月27日 19時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - ありがとうございます！そう言っていただけるとすごく嬉しいです！私も頑張って更新するので気長に待って頂けるとすごく嬉しいです(*^^*)(全然上から目線でどうぞ☆ (2020年1月12日 15時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
Momo_Tarou(プロフ) - とっても、面白いです！！更新が遅くなったって構いません！！気長に待ちます！！(構わないってなんか上から目線ですよね…すみません(汗) (2020年1月12日 12時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽこぽん | 作成日時：2019年12月16日 17時
