彼らはいつもすれ違う。 (ページ18)

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松村北斗side

京本にとんでもない勘違いをされた。

あの様子ではどんな言い訳をしたところで聞く耳を持ってもらえないことは明白だ。

俺は一人になった部屋で悶々と考え続ける。

確かに、京本の白い体に目を奪われたことは覆しようのない事実だ。

しかし、それはあくまでいくつかの要因が重なったことによる不慮の事故に近いものである。

気まずいメンバー、慣れない環境、いつもより多く摂取したアルコール、これらが全て合致して初めて起こるのが先ほどの事件なのだ。

___と、ここまで考えたところであり得ないほどの虚無感と眠気に襲われる。

「…京本、先に寝ても良いって言ってたよな」

誰に言うわけでもないが、ぽつりと呟いてから俺は布団へと倒れ込んだ。

________言い訳は、明日の朝にでもしよう。

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京本大我side

風呂から上がり、部屋へ戻ると北斗はすでに用意した布団の上で丸くなって熟睡していた。

俺は北斗を踏まないように跨いで自分のベッドに行くと、まじまじと北斗の顔を覗き込む。

「こうして見ると、昔と変わんないのに…」

北斗がまだ可愛かった頃___北斗にしてみれば無理をしていた時期か___俺は彼の中でどんな人間だったのだろう。

どれだけ歳を重ね、大人になってもわからないことは無限にある。

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