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京本大我side
最近は割と上手くいっていると思っていたが、北斗の中では違ったらしい。
何が彼の気に障ったのか、こっちに来るなと拒否されてしまった。
「はぁ？俺なんかした？」
昔よりは丸くも大人にもなった俺だが、思ったよりも苛立った声が出てしまう。
見るからに動揺している北斗に更に苛立ちが募るが、俺も大人。繰り返すがいい大人だ。
昔のようにつかみ掛かったりはしないと心に決め、北斗の言葉を待つ。
「いや、その…俺いま酔ってるから、そういう格好だと男でも何するかわかんないっていうか…だからつまり服を着てほしいっていうか！京本が何かしたとかそういう訳じゃないから！」
死ぬほど長い言い訳だったがつまり、こいつは酔っていれば男の裸でも興奮しちゃうから服着ろってことか。
偏見はないけど、まさか北斗が男もいけたとはなぁ。
先ほどまでの苛立ちはどこへやら、俺は北斗の新たな一面に驚きを隠せなかった。
「…まぁ、とりあえず服着ればいいの？」
俺の興味深そうな視線に気づいたのか、何故か更に焦り出す北斗。
「京本、誤解しないで！俺その、そっちじゃないっていうか！あの、ね？！」
いそいそと一度脱いだ服を着ながら北斗の必死の弁解を右から左へと受け流していく。
俺たちの職業柄、公表するのは難しいかもしれないが、メンバーにまで隠していたら北斗も疲れてしまうだろう。
だから俺は広い心と愛で受け止めてやるのだ。
「親いるからあんま騒ぐなよ…大丈夫、秘密にしとくから」
「待て待て待て、騒いだのは悪かったけど、全然大丈夫じゃないよ。納得しないで」
そうと決めたらこの長い言い訳を聞き続けるのも面倒になり、俺は本格的に北斗の言葉を適当にいなしてシャワーへと向かう。
「んー、はいはい。俺もシャワー浴びてくるから寝たかったらそこの布団で先寝てていいよ」
「ちょっ、京本…」
まだ何か言っている往生際の悪い北斗を余所に、俺は扉を閉める。
この様子だと他のメンバーにも言っていないようだし、内緒にしておいてやろう。
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作者名：六花 | 作成日時：2019年5月18日 12時
