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「…京本も、行くんでしょ？」
「っへ？」
「行かないの？慎太郎もう6人で予約してたけど」
声を掛けてきたのは隣に鞄を置いていた北斗で。思ったより恥ずかしい声が出てしまう。
「…行く、けど」
…なんか行きたくなくなってきた。人数には含まれてるみたいだけど、色々決まっていくのに俺だけみんなとテンションが違う。
俺がいじけているのに気付いたのか、北斗は鞄の中を確認しながら、一瞬だけ俺を見る。
「本番前に打ち上げ行こうって話してたから、OKだと思ったんじゃない？」
そういえば、慎太郎とそんな話しをしていた気がする。
「そういえば…そうだった、かも」
言われて思い出したが、何故か微妙に認めたくない俺は言葉尻を濁す。
北斗はなぜかはにかんで、また鞄の整理を始めた。
「樹！北斗と大我がイチャついてるぅ！写メ写メ！」
ジェシーは俺たちを指さしながらニヤついていたかと思えば、樹に突撃していった。
「うおっ、痛いよ！なにいきなり」
「え〜？きょもほくキャラじゃないの？」
いきなり飛びつかれた樹は後ろの壁に頭をぶつけ、そこそこ機嫌が悪くなる。
ジェシーは気にせずニヤニヤしながら俺たちを見て、樹をいじる。
いや、この場合いじられているのは俺たち…？
「そのきょもほくキャラって俺嫌なんだけど」
樹は苦い顔で訴えてくる。
「俺らに言われてもな…」
「ね…」
俺と北斗、目線を合わせることはないが互いにあやふやな返事をする。
「…いやでも、本当にきょもへの態度変わったよ。北斗は」
「大我は大人になったしねぇ」
何を感じとったのか、樹とジェシーは俺たちを我が子を見るような目で見てくる。
「樹もジェシーもその顔むかつく」
俺が肩頬を膨らませて言えばいつの間にやら俺の近くにきていたジェシーが頬をつつく。
「いじけてる大我ってかわいいよね」
「何言ってんのジェシー。京本早く逃げな」
なんて、バカみたいなやり取りをしている内に俺の機嫌はすっかりなおっていた。
…アイツとの距離も近づいた気がしたし、むしろ機嫌は良い方かもしれないなんて、誰にも言えない。
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作者名：六花 | 作成日時：2019年5月18日 12時
