煉獄杏寿郎の歪んだ愛 弐

愛66 ページ17

やっぱり大勢の前で言うのは怖くて、胡蝶先生と甘露寺先生だけに言った。





禰豆子達は聞かない方がいいと思ったけど意地でも聞くと言われ話した。





話し終えた瞬間、禰豆子達に抱き締められた。






禰「ごめん、ごめんね気づいてあげられなくて。一人で抱え込ませてごめんね。」


カ「もう、大丈夫だから。」





二人とも泣きながらずっと抱き締めてくれた。



私も途中からぼろぼろ泣いていたけど、私の為に泣いてくれる人がいて一人じゃないと分かって安心してさらに泣いてしまった。





し「Aさん。辛いのに話してくれてありがとうございます。もう安心してください。」


甘「そうよ！これからは私達が守るからね！！」


『…ありがとうございます。』






久しぶりに心から笑えた気がする。


私の笑顔を見た胡蝶先生と甘露寺先生は涙目になって私を抱き締めてくれた。






それから私は胡蝶先生の家に住まわせてもらう事になった。







し「そうそう。Aさん。」


『はい？』


し「この家には私の姉もいるので、私のことはしのぶと呼んでください。被ってしまいますからね。」


『分かりました。えっと、し、しのぶさん。』







照れながらも名前を呼べば嬉しそうに顔を綻ばせていた。





しのぶさんのお姉さんのカナエさんも優しくてすぐに仲良くなることが出来た。








夜、与えてもらった部屋のベットに座る。



そっと腹を撫で、ため息をつく。




子供。 子供か。




幼い頃に両親は死んでしまい、引き取ってくれた煉獄家も荒れてしまった。




義理の兄を慕っていたが、その兄はよからぬ事を私が幼い頃から考えていたのだ。




義理の兄に体を暴かれて無理矢理孕まされて。





私の人生は何なのだろう。






しのぶさんはまだ考える時間があるから悔いのないようにするといいと言っていた。






私は。







私は、産みたいと思う。




いくら無理矢理孕まされても、この子は自分の子だ。






もう一度腹を撫でる。






意を決して、しのぶさんの元へ向かった。

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