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愛49 ページ49

さて。



どうしたものか。




杏寿郎が居ないから足枷を付けられている。




部屋から出る事が出来ないから何もする事が出来ない。




とりあえず部屋の中を歩き回り何か使えるものはないか探す。




簞笥の引き出しをいくつか開けた時、裁縫道具があった。




中身を確認すると安全ピンがあった。









_______________


カチャン、という心地よい音とともに足枷が外れた。



すっと立ち上がっても鎖が擦れる音がしない。





これで屋敷の中を歩く事が出来る。





まず屋敷の構造を覚えなければ。




証拠を残さないように細心の注意をはらいながら部屋を見て回る。






一通り見終わって部屋に戻り足枷を付ける。




その時ふと、思った。




ここから逃げたとして、どこに行けばいい?




今、外がどうなっているのか分からない。






もしかしたら死んでいることになっているかもしれない。






それに杏寿郎はどうなる?






あぁ。





だめだ。



また杏寿郎の事を心配してしまっている。



泣いていた杏寿郎を思い出す。



別に泣きじゃくる訳じゃない。



私の肩に顔を乗せて、静かに泣くんだ。






逃げたいのに、杏寿郎の事が気になって足が止まってしまう。




少し、洗脳されているのかもしれない。







ズキリ、と頭が痛くなる。


何かを忘れている気がする。



なんだろう。


思い出したいのに思い出しては駄目な気がする。




断片的に何かが見える。







炎のような羽織りを来た杏寿郎がいる。



刀を持っている。




今度は眼帯を着けた杏寿郎がいる。



暗い森の中だ。




杏寿郎の右手には刀が握られていて、その刀の美しさに思わず見とれてしまう。





赫い、燃え立つような焔の刃紋が焼き入れられた刀。





息が苦しい。




頭が割れるように痛くて蹲る。




痛みからなのか涙が溢れた。



だけど、何故か胸が締め付けられるように痛くて────





そこで意識が途切れた。

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椿(プロフ) - ゆっきぃさん» ありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです!!これからも更新頑張ります!! (2019年11月10日 14時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきぃ - やっぱり最高です…!!!なんかもう炭治郎が目撃しちゃったけどまだ真実バラすなとか思っちゃってます(ヤンデレ最高です…!これからも頑張ってください!! (2019年11月10日 14時) (レス) id: 103a520591 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 天華さん» そんな事ないですよ。私も書きながらぐへへへ言っている変態ですから…!(`・ω・´)キリッ読んでいただきありがとうございます!これからも頑張ります!! (2019年11月9日 23時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
天華 - 待って、ヤバい、好き。ヤンデレを見て興奮している私は・・・・変態....!? (2019年11月9日 22時) (レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります!!! (2019年11月9日 20時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 16時

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