愛42 ページ42
『はぁっ、はぁっ、』
バタバタと屋敷の中を駆け回る。
着物が重くて走りづらい。
.
遡ること30分前。
杏寿郎は自分がいる間は足枷を外してくれると約束してくれた。
だが、同じ部屋で私がちらちらと外を見ているのに気付いていたらしい。
杏「ここから逃げたいか?」
そう聞いてきた。
当然、逃げたいに決まっている。
だけどそんなこと堂々と言える訳が無い。
黙っている私を見て杏寿郎が遊びの提案をしてきた。
杏「今から鬼ごっこをしよう。」
『……え?』
杏「俺が鬼をやろう。もしAが玄関まで逃げ切れたら俺はそこからは追わない。警察に行くなりすればいい。俺は特には見返りを求めない。どうだ?」
.
拒否権がある訳もなく、今必死に杏寿郎から逃げている。
そもそもこの屋敷の構造が分からないのに玄関まで行けるわけない。
色んな部屋の襖開け逃げ惑う。
どの襖を開けても部屋、部屋、部屋。
廊下を走っていても自分がその道を通ったかも分からない。
主屋を出て渡り廊下を走る。
この先は離れだから玄関は無い。
まずい、夢中で走っていたからちゃんと確認しなかった。
もう引き返せない。
部屋の襖を開けさらに奥に行こうとした時、足が縺れた。
後ろから背中をとん、と軽く押されあっさり体勢を崩しそのまま肩を掴まれ壁に叩きつけられた。
物凄い勢いで押されたので痛くて咳き込む。
杏「もうおしまいか?」
走り続けていたので肺が痛い。
息が苦しくて必死に酸素を取り込む。
杏「残念だったな。もう一度やるか?」
まぁ、逃がす気は無いがな。と楽しそうに言われる。
もう足に力が入らない。
苦しくて目が霞んで、それでも杏寿郎を睨みつければ可愛らしいなと口付けられる。
猗「何しているんだ?」
声がした方を見れば猗窩座さんが壁に寄りかかりこちらを見ていた。
杏寿郎が一気に不機嫌になったのが分かる。
杏「勝手に入って来るな。」
猗「そう怒るなよ。あの方が呼んでる。その女もだ。それにお前はもうこっち側に来たんだ。もう戻れると思うなよ。」
杏「…分かっている。」
杏寿郎に手を引かれ猗窩座さんの後ろを着いていく。
『あの、猗窩座さんってどんなお仕事をしているんですか?』
猗窩座さんはちら、とこちらを見た後、人が言うところのヤクザだと言った。
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椿(プロフ) - ゆっきぃさん» ありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです!!これからも更新頑張ります!! (2019年11月10日 14時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきぃ - やっぱり最高です…!!!なんかもう炭治郎が目撃しちゃったけどまだ真実バラすなとか思っちゃってます(ヤンデレ最高です…!これからも頑張ってください!! (2019年11月10日 14時) (レス) id: 103a520591 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 天華さん» そんな事ないですよ。私も書きながらぐへへへ言っている変態ですから…!(`・ω・´)キリッ読んでいただきありがとうございます!これからも頑張ります!! (2019年11月9日 23時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
天華 - 待って、ヤバい、好き。ヤンデレを見て興奮している私は・・・・変態....!? (2019年11月9日 22時) (レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります!!! (2019年11月9日 20時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 16時