煉獄杏寿郎の歪んだ愛

愛40 ページ40

宇髄side




Aが本格的に危ないと思って柱全員に話した。




もちろん、煉獄がAを殺した事は伏せた。

まだ言ってはいけないような気がしたから。






最初、当然全員戸惑った。


だが、胡蝶を初めとして皆信じてくれた。



胡蝶もAが怪我をしているのが気になっていたらしい。


冨岡はもともと勘づいていたらしい。



それで全員で話し合う場を設けた。



Aが一人暮らしを始めたという話は聞いていたから住所を調べて無理矢理連れ出した。




だが、あともう少しで聞き出せるという所で煉獄から電話が掛かって来てしまった。




そこから煉獄も交えて話し合いを再開したが煉獄はやっていないの一点張り。



胡蝶も笑うのを止めてキレそうな勢いだった。



もう煉獄がAを殺した事を言ってやろうかと思った時、煉獄の父親が刺されたらしい。



それで話し合いは後日に持ち越しになった。









_______________


宇「……は？」


杏「Aが誘拐された。」





職員室に凍るような空気が流れた。





杏「病院に行った後、俺は警察と話があったからAを一人で帰らせてしまったんだ。」






いつものでかい声ではなく、今にも消え入りそうな声で煉獄は言った。


いつもより目が虚ろで寝ていないのだろう。



職員室で話を聞いていた炭治郎達も絶望したような顔をしていた。




杏「迂闊だった……。ちゃんと一緒に帰れば良かった………。」





普段表情が変わらない冨岡も驚いた顔をしていて、全員がなんて言えばいいのか分からず黙っていた。





炭「だ、大丈夫ですよ！きっとAは無事です！必ず見つかりますよ！！」





炭治郎が青ざめたまま必死に煉獄を励ますが煉獄はずっと暗い表情をしたままだった。





煉獄はその後はいつものように振る舞っていたがやはり無理をしていて、午後は具合が悪くなり早退した。







なんでだ。






なんでこうなっちまったんだ。






だが、この怒りと後悔はどうしようも出来ず、ただきつく手を握り締めるしか出来なかった。

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