煉獄杏寿郎の歪んだ愛

愛35 ページ35

杏寿郎side



あれから１週間、Aに関わらないようにした。


そうした方が殴った時より恐怖が募るからだ。


当然、Aは困惑していた。


あぁ、愛しい。


抱き締めたくなっても必死に我慢した。






Aの家に行った日。


ぽかんと気の抜けた顔をしたAをよそに体を中に滑り込ませ逃げられないように鍵を掛けた。



ようやく事態を理解したAがガタガタと震え出したが、構わず組み敷こうとした。



だが、電話の着信音で一時中断となった。



誰だ、夫婦の時間を邪魔する無粋な奴は。



切ろうとして画面を見て思わず顔を歪めた。





竈門炭治郎。





前世でも何かとAと距離が近くて嫌いだった。


しかも嗅覚が優れていて、感情を読み取られないようにするのがどれほど大変だったか。


此奴はほっとくと面倒くさくなるのでAに携帯を渡しさっさと切らせようとした。




が、やはり内容は気になるもので。



耳を近づけようとすればAは少し肩を揺らしたが炭治郎と話を続けた。




炭「Aって、前世を信じるか？」





お前もか。


確か、宇髄以外の柱は記憶を持っていた。


竈門が覚えているということは我妻や嘴平も覚えているかもしれない。




あぁ、面倒くさい。





_______________




風呂から上がり、ベットで横になっているAの傍に腰を掛けAの携帯を確認する。



悪い虫が付いていないか確認していたら、電話帳に”宇髄先生”という文字があり危うく携帯を壊しそうになった。



問い詰めれば無理矢理登録されたらしい。



今さら何故だと思っていたら、Aが宇髄から伝言があると言われた。





『”あの日は綺麗な満月だったな。”って。』




身体中の血が沸騰しそうな程体温が高くなるのを感じる。





お前か。



お前だったのか。



俺とAの最後を見たのは。






あれはお前が悪いんだ。



俺からAを奪おうとしたから。





俺の激怒している様子に怯えるAを気絶させ電話を掛ける。



何コールかして、相手が電話に出る。





杏「久しぶりだな。




早々に悪いが少し手伝って欲しいんだ。



頼めるか。









────猗窩座。」

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