煉獄杏寿郎の歪んだ愛

愛28 ページ28

宇髄side



おかしい。



約束の時間からかなり過ぎているのにAが来ない。



嫌な予感がして煉獄の家に行ってみると数刻前に煉獄とAが出て行ったらしい。


何処に向かったか知ってないか聞いたが突然出て行ったので見送りもしていないらしい。



礼を言ってどうするかと思った時、近くの山が目に入った。


何となくそこにいる気がして山に入っていった。









_______________



宇「嘘、だろ…。」



思わずそこに座り込んだ。



かなり深く入って行った時少し開けたところがあった。



大きな満月の光に照らされたそこは見やすく回りまで良く見えた。







地面に大きく広がった血。




その大きな血溜まりの中では木に背を預けている煉獄と、その上に倒れ込むようにしているAがいた。




二人は串刺しになるように心臓に日輪刀が刺さっていた。




明らかに死んでいる。




虚ろな目で涙が流れた痕があるAに対し煉獄は幸せそうに笑って死んでいた。




Aを抱き締めている煉獄はまるで、逃がさないと言っているような気がした。






あぁ、俺のせいだ。







俺のせいでAが煉獄に殺された。






俺のせいで煉獄が人殺しになった。









後悔してももう遅くて、胸が痛くて苦しくて、自然と涙が零れた。

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