煉獄杏寿郎の歪んだ愛

愛11 ページ11

炭治郎side



初めて会った時は、彼女はとても優しい、暖かい匂いがした。


仲良くなって話していくうちにどんどん彼女に惹かれていった。


歴史教師の煉獄先生と兄妹で、いつも仲が良さそうに話していた。


でも、ある日突然Aの匂いが変わった。


何かに怯えていて、怖がっている匂い。


どうしたのか聞いても何でもないとしか言わなくて無理には聞かなかった。



だけど日に日に増えていく傷。



服で隠れていて見えないけど匂いで怪我をしているのが分かった。



そして最近は服で隠れないところにも傷が出来始めた。



それと同時に、Aが煉獄先生といる時の匂いがおかしい事に気付いた。



恐怖、悲しみ、怯え。



ずっとAからその匂いがするけど煉獄先生は驚くほど何の匂いもしない。



もしかしたら。



そう思って冨岡先生に相談したらAに聞いてくれると言ってくれた。


だけど煉獄先生が来て言いくるめられて真相を聞くことは出来なかった。





その次の日にAに聞こうと思って思わず顔を顰めた。


いつもと全然匂いが違う。


ものすごく怯えていて。


屋上に連れ出して話を聞こうとしても曖昧にされて思わずAに怒鳴っていた。


その時、匂いが少しだけ変わった。


助けを求めるような匂い。


だけど煉獄先生が来たことでまたいつもの匂いに戻ってしまった。


原因が煉獄先生にあると確信して問い詰めようとした。


煉獄先生とAを引き離すと言った時初めて煉獄先生から匂いがした。


どす黒い、苦しくなりそうなほどの怒り、嫉妬、独占欲の匂い。




でも、結局俺も言いくるめられて終わりにされた。





もし、このままにしておいたら。



Aが危ないと本能的に理解した。


煉獄先生のAへの執着は尋常じゃない。


Aを守らないと。









.









・・・・・・・・・・・・・・・・
前世と同じ事を繰り返さないように。

愛12→←愛10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す