セクゾ兄弟はお医者さん２

喘息再発 ページ6

健人side



喘息の治療を始めてから数ヶ月
終わりがないと思っていた服薬治療にも徐々に効果が現れ始め、ここ最近は発作も暫く出ていなかった
このまま順調にいけば休薬もできるかもしれないとマリウスに言われた時は、涙が出るほど嬉しくて
思わず診察室でマリウスにハグをしてしまったことは、ここだけの秘密だ



そんな調子のいい日が続いている中、俺は喘息とは違う症状に悩まされていた
ズキズキと痛む頭に体の節々が痛む感覚、頭がボーッとしてしまって仕事に集中出来ない

嫌な予感がして、仕事から帰宅後に体温を測ると38℃を超える体温が小さな液晶に映し出されていた


健「……ｯ…頭いてぇ……」

とりあえず今はこの頭痛と、熱っぽい身体をなんとかしたくて、家に常備してある救急箱から市販の風邪薬、所謂解熱鎮痛薬を取り出して飲んだ




夜になる頃には解熱剤の効果で体温はグッと下がっていたけれど、今夜は早く寝ようと思い、弟たちに一声掛けて早めに寝室に入った


横になってぼんやりと天井を眺めながら、眠気が来るまで物思いに耽る

最近仕事忙しかったな、とか
この熱も多忙のせいなのかな、とか

そうこうしていると意識もうつらうつらとし始め、気が付くと俺は、そのまま深い眠りに落ちていた









健「………っ！、ｯ…」


次に目が覚めたのは夜中の12時頃


胸のあたりに強い痛みと凄まじい息苦しさを感じて、思わず飛び起きた


健「ｺﾞﾎｯ...ｳﾞ...ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ!!!!ﾋｭｰﾋｭｰｯｹﾞﾎｹﾞﾎｯ!!!!…ﾋｭｰﾋｭｰﾋｭｰ」


苦しくて苦しくて、訳もわからずパニックになる
とりあえず発作止めの吸入をしなくてはと、ベッドサイドに常備してあった吸入器に手を伸ばすが、あと一歩というところで、大切な吸入器は無情にもボードから転がり落ちてしまった


健｢ﾋｭｰﾋｭｰ…ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...ｳﾞ...ﾋｭｰﾋｭｰ
ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ..!!!!.｣


助けを求めたいのに声を上げることすらままならなくて、ひたすら咳に耐えながら蹲る



誰か……誰か来て……！！！



そう願いながら、俺はそのまま意識を手放した

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