セクゾ兄弟はお医者さん２

パニック障害 ページ23

健人side



マ「交差点全然平気だったね！よかった〜！」


駐車場に着くと、そう言いながら無邪気な笑顔で笑いかけてくるマリウス

その笑顔は本当に裏表のない、屈託のない笑顔で
愛しい気持ちが込み上げて、気付いたら俺はマリウスのことを目一杯抱き締めていた


マ「健人兄ちゃん……？」



この数ヶ月
弟たちにどれほど心配を掛けてしまっただろうか


外にも出れなくなってしまった俺を気遣って
仕事以外の時間は4人ともずっと家にいてくれた

本当は人付き合いだってしたいだろうし、大人なんだから自由な時間も欲しいはずなのに
俺が何か家の中で困った時、代わりに動けるやつがいないとダメだからとか何とか言って
結局全員、ずっとそばにいてくれた

それが申し訳なくて
もっと苦しくなることもあったけど

こんなにも家族を想ってくれる4人が
どんなことがあっても見放したりしない優しさが
俺はとても誇らしかった




健「…マリ、ありがとう
お前らの兄貴で、俺って幸せ者だな」

マ「………っ、健人兄ちゃん…
うんっ…それを言うならボクも、健人兄ちゃんたちの弟で幸せだよ！」


そう言って特徴のあるハートの口を浮かべながら
更にギュッと抱き付いてくる甘えん坊な末っ子



歳の差があるからか、ついつい俺も風磨も、弟たちに対してナチュラルにスキンシップをしてしまう
もういい加減やめなきゃなんて思う日もあるけど
俺たちは当分、弟離れなんて出来ないんだろうな


だってこんなにも愛おしくて
こんなにも大切だって思うから




これから先、もしかしたらこの障害が完全に治ることはないのかもしれない。そしてまた、弟たちを悲しませることがあるかもしれない

だけどこの兄弟となら
乗り越えられないハンディキャップなんてないって思えるから



健「いつもサポートしてくれてありがとう
これからも俺なりのペースで、進むことにするよ」

マ「うんっ無理せずね
あと、ボクたちらしく…ね！」

健「うん、そうだな…俺たちらしく」





"俺たちらしく"

進んでいこう




END

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