セクゾ兄弟はお医者さん２

喘息再発 ページ3

風磨side



マリウスから兄貴のことで相談を受けてから数日
今日はオフの予定の兄貴が、マリウスのとこで外来に掛かって検査をしてもらうと聞かされていた

兄弟間で病気を検査して、告知もしなきゃいけないなんて、兄貴の身体はもちろんのこと、マリウスの気持ちを思うと正直ものすごく心配だった



聡｢予約14時からって言ってたよね……そろそろ結果も出てるかな？｣

風｢どうだろうな｣

ピロリロリン〜♪

そして丁度聡と兄貴の検査について話していると
PHSにマリウスから連絡が入る



風｢マリウス？どうした？｣

マ『あ、風磨兄ちゃん？仕事中にごめん……あのね、健人兄ちゃん……やっぱり喘息再発してた』

風｢……っ、そっか｣

マリウスから事前にほぼ再発は確定だろうとは聞いていたが、いざ現実となるとやっぱりショックで

風｢兄貴にはもう話したの？｣

マ『ううん、疲れてるみたいだったから一旦帰って貰ってて、今夜家で話す予定』

風｢そっか……
キツかったら俺から話してもいいぞ？｣

マ『いや、大丈夫。主治医はボクだから』

風｢ん、わかった。兄貴のこと、頼むな｣


会話を終えて、どうだった？と不安げに見つめてくる聡に、今聞いたままを全て話すと、わかりやすく肩を落としていた



喘息は長い戦いになる
それは兄貴にとっても、マリウスにとっても

そして俺たちが2人に出来ることは、それぞれが一人で抱え込んだり、悩んだりすることがないように支え、励ますこと

絶対に、全員で乗り越えなければ
俺はこの日、そう強く心に誓った






健｢ｺﾞﾎｯ...ｳﾞ...ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...｣

マ｢大丈夫だよ、落ち着いてゆっくり息整えよう
楽になると思うから、ちょっと前屈みになれる？｣

健｢ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…っﾋｭｰﾋｭｰ｣

マ｢ちょっと吸入器使おうか
ゆっくり吐いて、思いっきり吸って、そうそう｣

健｢ﾋｭｰﾋｭｰ…ｺﾞﾎｯ......ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ..｣


あれから数日、マリウスから内服薬や吸入器といった一般的な喘息の治療薬を処方され、仕事も続けながら、兄貴の療養が始まった


まだステロイド吸入を始めたばかりなのもあって、今のような小発作は度々起こっている

その度に毎回冷静に対処するマリウスは、やっぱり専門医なだけあって違うなと感心しきりだった
俺なんて、吸入器を支えてやる手さえも震えてしまってダメダメなのに


そして何より、辛そうな兄貴を見ているのは
想像以上にキツかった

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