セクゾ兄弟はお医者さん

高熱（勝利） ページ40

風磨side



健「風磨おはよ
悪いけど勝利起こして来てくれる？」

風「おー、わかった」


朝、眠い目をこすりながらリビングに行くと
珍しく兄貴がキッチンに立っていて、どうやら朝食を作ってくれているようだった


今日は兄貴と、俺と、勝利が日勤
聡とマリウスは昨日今日と丸2日休みで、気晴らしにと小旅行に出掛けていた
そこで普通に友達とではなく、休みの日まで兄弟で旅行に行こう！となるあたりが2人は独特というか、本当に昔から特別仲が良くて微笑ましい


話は戻すが、家に残された3人の中でいったら一番早起きなのは勝利で、その勝利が俺らより起きてくるのが遅いのは確かにちょっと違和感
疲れが溜まっているのかと少し心配になりながら部屋を覗くと、まだぐっすりと深い眠りの中にいて
ちょっと起こすのが忍びないが仕方なく肩を揺すった


風「勝利、勝利
気持ちよく寝てるとこ悪いけど、そろそろ起きないとまじで遅刻するぞ〜」

勝「…んぅ？……ふう、ま…兄ちゃん？」


すると勝利は思いの外すぐに目を覚まし
もぞもぞと布団から這い出てくる


勝「ごめん、目覚まし気付かなかった
起こしてくれてありがとう」


比較的寝起きが良い勝利はすぐに通常モードになって、律儀にお礼まで言ってくる

パッと見た感じ顔色も普段とさほど変わりはなさそうだし、咳とか鼻水みたいな症状も出ていない
ただの寝坊だったかと胸を撫で下ろして、勝利と連れ立って再びリビングに戻ると、テーブルにはちょっと形のいびつなおにぎりや、やたら具のデカい味噌汁が並んでいて、兄貴が作った朝飯だとすぐに分かった



勝「今日健人兄ちゃんが作ってくれたんだ」

健「勝利おはよ！
うん、たまたま朝ちょっと早く目覚めたから
相変わらず不格好で悪いけど、味は悪くないはず」

勝「ありがとう、いただきまーす」



兄弟の中でも兄貴はかなり不器用な方で、
本人の言うように味は美味しくても形が斬新な"ザ・男飯"って感じの飯なことが多くて。そう言えば飯自体を兄貴が作ってくれるのはかなり久しぶりだった

勝利もそれに気付いているのか、嬉しそうに頬張り始めたと思ったらあっという間に完食していて

食欲もこんだけあれば大丈夫そうだろうと高を括って、俺は自分の支度に取り掛かった

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