セクゾ兄弟はお医者さん

急性気管支炎 ページ4

S.Mside



明け方のバタバタを忘れるくらいのんびりした時間を風磨兄ちゃんと過ごした僕は、夕方の18時過ぎに家に戻った


健人兄ちゃんと勝利とマリウスは今日日勤帯だから帰りはもう少し後だろう

そう考えながらリビングの戸を開くと、そこには何故か見慣れた鞄が置かれていた
それはいつも健人兄ちゃんが職場に持って行ってる、僕たちが誕生日にプレゼントした鞄


風「なんで兄貴の鞄？
もしかしてもう兄貴帰ってる？」


終業時間は確かに過ぎているし家にいても特別おかしいわけではないけど、普段兄弟の生活を見ている限りしっかり定時に上がれることはまずないはず
疑問に思った僕は健人兄ちゃんの部屋を訪ねることにした



コンコン

聡「ごめんね、入るよ」

健「そぉ…ゴホゴホッ…コホッ」


扉を開けるなり聞こえてくる乾いた咳の音
予想が的中してしまって僕は眉を下げるしかなかった



聡「やっぱり咳出てきちゃったか
それ多分気管支炎でしょ」

健「なんでわかって…ゴホゴホッ…」

聡「なんとなく微熱続いてるの気付いてたから
鼻水とか出てないから違うかなとも思ったけど
食欲なさそうだったし、たぶん無意識だと思うけど
たまーに胸痛そうに押さえてから次咳来るかなって」

健「すげ…ゴホゴホッ…全部当たってる…」

聡「診察は？」

健「してもらった、咳止めも貰ったし…ゴホッ
ちょうど切れてきたとこで…」




診察は受けたと聞いてちょっと安心した
うちの兄弟はみんな忙しいと自分のことを後回しにするとこあるからね、特に健人兄ちゃんは


健「マリウスいるし…ゴホゴホッ
ほんと咳以外普通だから…コホ…気にしないで」

聡「いや気にしないは無理だけどさ」


これだけの咳をしてて気にしないでは流石に無理があって苦笑いがでる。まあ確かに専門分野のマリウスがいるから安心っていうのはあるけどね
ただ仕事も休む訳にはいかないだろうから心配だ



聡「仕事は？今忙しくないの？」

健「うん、今ベッドコントロールの関係で
閑散期だからさ…ゴホゴホッ…今日も帰り早いし」


時間有給で帰ってきたのかと思ったがどうやらそうではなかったらしい
それくらい余裕があるなら一安心だ


聡「ならよかった
今日はゆっくり休んで、お休みなさい」


とりあえず今はゆっくり休息をとってもらおう
僕は健人兄ちゃんにおやすみを言って、静かに部屋を後にした

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