11時 ページ13
「いつかって、何時なの……?」
「そう遠くない未来だと思うけど……それにしても、首領とお菓子食べたんだ。“アレ”、食べたんでしょ?」
「まぁ……」
あの触感を思い出して言葉がつまる。
「待たせたね」
「お待ちして……パンは何処ですか?」
「折角だから私の好きな物を食べてもらおうと思ってね」
「饅頭と、薬缶と、ご飯……」
「饅頭をご飯を合わせて茶漬けにするんだ」
「本当に“その”派なんだぁ……」
「“饅頭茶漬け”……ぼく的にはどうかと思うけど」
「牡丹餅みたいで、私は……というかQ、食べたことあるの?」
「……ずっと前にね」
意外だ。ずっと座敷牢に居ると思っていたのに。
そう思って疑問を投げかけると伏目がちに答えた。聞いてはいけないことを聞いただろうか。
「…………話は終わり?」
気まずさを感じてどうしようかと思っていると、向こうから声がかかった。
「えっと……多分、おわった……かな?」
「そう、じゃあ早く戻りなよ。ぼくにはいない、“必要としてくれる人”が居るんだから」
「……う、うん……そうするよ」
踵を返して、座敷牢を出る。
入りも慎重ならば、勿論出るのも慎重に、だ。
「Q……」
Qは前に、私を護ると言った。
その約束は、憶えてもらえているだろうか。
その約束は、守ってもらえるだろうか。
……他力本願の癖がつきつつある。これではいけない。
思案しつつ、無事に自室に戻れば、そこには贅沢な空間が広がる。Qがいた座敷牢とは全然違う空間が。
――本当に、このままでいいのか?
(覚醒まで、あと一歩)
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臣民(プロフ) - 坂竹会長さん» 返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……!お互いに無理のない程度に頑張っていきましょう!^^ (2019年6月6日 21時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - すッッッッッッッ(殴みません((!! 習い事の試験やら、学校という悪魔やら風邪やらなんやらで全然開けてませんでした…;;(笑)続編…!!更新頑張ってください!!私も頑張りまs((蹴発火 失礼しました_;;ーд#_ (2019年6月3日 8時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - もくれんさん» ありがとうございます!より一層、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします! (2019年5月12日 22時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
もくれん(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張って下さい! (2019年5月12日 18時) (レス) id: b1b6b426cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2019年4月21日 19時