九日目 9時 ページ2
「七度八分…………発熱だね」
「だから言ったんですよぉ……」
ぶるりと体が震え、悪寒が駆け抜ける。
「“緊張は特にしませんが……少し、寒いですね”って!」
「……絹の服だったし、空調も整いすぎていたから、仕方ないねえ」
「しかたなくないです」
苦笑いを浮かべる鴎外さんを糾弾する。
「うん、本当にごめんね……それじゃあ、私は
「……はい」
鴎外さんが部屋から出て行く。
ドアが閉まるまでの数秒で入れ替わった空気が寒い。
「あたしが、来た!」
扉が閉じた瞬間にバンッ、と勢いよく開くとエリスちゃんが居た。
不思議なことにナース帽にナース服の様なドレス、腕章をつけているが。
「今日のあたしはA専属の
「ああ、そういう……」
嬉々として言われるが、ツッコむ気力もない程体が熱い。
頭が、ぼーっとする――……
「お待たせ」
「もう!遅いわリンタロウ!」
部屋に入ってきた鴎外さんは息を切らしていた。
そんなに急がなくてもいいのに。
彼は私と目が合うとゆったり微笑み、ベッドサイドに移動し、手にしていた箱をキャビネットの上に置いた。
「ソレ、携帯用医療箱?」
「そうだよ。吐根だってあるんだ」
エリスちゃんの言葉に反応して、凄いだろう、と無邪気に笑う鴎外さん。成程、医者と言うのは本当の様だ。
「それにしてもエリスちゃん……その恰好は……」
「大戦時の時の格好の方がイイ?」
「いや、どちらも可愛いから、気にしないのだけれど……」
うーん、と一唸りする鴎外さん。訳有のようで。
でも、“大戦時”……これは流石に、私と関係ないよね?
「さァA!して欲しいことは?」
「……それじゃあ、薬をください」
(まずはオクスリ)
138人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
臣民(プロフ) - 坂竹会長さん» 返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……!お互いに無理のない程度に頑張っていきましょう!^^ (2019年6月6日 21時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - すッッッッッッッ(殴みません((!! 習い事の試験やら、学校という悪魔やら風邪やらなんやらで全然開けてませんでした…;;(笑)続編…!!更新頑張ってください!!私も頑張りまs((蹴発火 失礼しました_;;ーд#_ (2019年6月3日 8時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - もくれんさん» ありがとうございます!より一層、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします! (2019年5月12日 22時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
もくれん(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張って下さい! (2019年5月12日 18時) (レス) id: b1b6b426cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:臣民 | 作成日時:2019年4月21日 19時