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第五十一話 先生問答 ページ8

――「それで、(わっち)のもとへ?」


その言葉に静かに頷く。
先生は経緯を話した後、「ふむ」と発した。


「もう答えは出ているようなものではあるが……。
 ……厭、何でもない」


そう言って薄く笑う。


「では、A」


突然名前を呼ばれ、体が強張る。


「……何でしょうか」
「“誰ならば平気か?”」


――“誰”ならば?


「Aが接吻をしても好いと思える人は、誰となる?」


――“誰”ならば。


「……否。 質問を変えるとするか。
 “したい”のは、誰じゃ?」


――誰ならば、したい?


ある国へと赴いたときに聞いた伝説。
その話の中でも暗殺業が行われていた。

その“やり方”は“自分を毒とすること”。

爪や肌すらも猛毒として、閨で命を貰い受ける。
中でも、体液や粘膜は分泌量が多く強力。

まさに『毒の娘』なのだ。

――でも、そんなことをしていては心が傷つく。
――愛してしまったのならば、尚更。

愛ゆえに口付け、付けたゆえに死ぬのだ。
本来、接吻とは愛情表現なのだから。

――と、すれば。
――それは、それは…………!


「“イケない感情”、か?」
「ッ!」


心中を読んでか、先生が私の顔を覗き込む。


「もし、そう思っているのなら……“それは違う”。
 自分で自分の心に制約をかけるな。
 Aは自分のしたいことをすれば好い。
 この世の中に、持ってはいけない感情など、無い故に……のう」


 


(持ちたる感情全てに理由は有)

第五十二話 女神の答→←第五十話 世界破壊



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 森鴎外 , 文スト   
作品ジャンル:アニメ
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臣民(プロフ) - みぃさん» ここまで閲覧して頂き、誠に有難う御座います! 私が書く森さんはただでさえぶっトんでいるのに次回作は更にそれを加速させそうです(苦笑) 少女漫画の様にまたキュンキュンとさせられることを目標に、頑張ります! (2018年7月16日 13時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 幸せな終わり方でしたね!! キュンキュンしました! 次回作楽しみにしています! 完結お疲れ様でした! (2018年7月16日 7時) (レス) id: d688bcfef3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:臣民 | 作成日時:2018年5月27日 18時

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