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昴くんの“一生のお願い”を聞き入れた私だが、無論、図書館員としての希望も絶たれてしまった。
代表期間以外の私は、コーチさんの紹介で東レ・アローズ女子バレーボール部のマネージャーになった。とはいえ、こちらも表舞台には出ないマネージャー兼心理カウンセラー。メディア関係者が居ない練習中や普段の生活の中で皆の話し相手になる友達のようなマネージャーだ。最初は、マネージャーとしての仕事もした事が無かったのでかなり迷惑をかけた。それでも必死に一生懸命食らいついて、何とかチーム内部の仕事は慣れて来た。
そんな5月、皆とチームの絆を深める中、男子代表…龍神NIPPONで招集がかかれば私も東京に飛んで行動を共にするからチームを離れる。今日が緊張の代表招集初日だ。

『っ…』

普段の練習や合宿、試合に至るまで同行してはメンタルヘルスケアをするのは、彼らが決して精神面において弱い訳ではなく、強いからこそ必要なんだと思う。それに加えマネージャーとしての仕事もするから話す時間は要所要所であると思う。何とかなりそう、かな。
それでも初日、初めてというのは何でも緊張する。緊張の面持ちでコーチさんに渡された国内合宿の概要をまとめた人数分の小冊子を握り締める。

「さっ、行きましょう」

スタッフだけのミーティングが終わり、揃って研修室に向かう。歩みを進めるごとに研修室迄あと少し、もう扉の前…とカウントダウンはいつの間にかゼロになっていて、広い研修室に規則正しく座っている選手達のオーラに更に緊張感が高まった。
その中で、幸か不幸かばっちり目線が合った私のよく知る人は物凄く目を真ん丸にしていたが、私はその人のおかげで少しだけ緊張が解れた。

『東レ・アローズ女子バレーボール部マネージャーの(名字)Aです。龍神NIPPONではマネージャー兼心理カウンセラーとして、皆さんのお力になれたらと思います。世間話でも何でも構いませんので、何か話したくなったら声を掛けてください』

よろしくお願いします、とスタッフ紹介の一番最後に挨拶をした。私の立場というものは改めて別の人から説明があり、資格を持った公式の人間ではないが龍神NIPPONに必要だから招集されたマネージャーだと紹介していただいた。それはもしかしたら皆の不安を煽るような説明だったのかもしれない。小心者の私は、皆の視線が怖く感じた。

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作者名:しおん | 作成日時:2019年10月26日 6時

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