18．おじいちゃんと私 ページ20
みんなが出発するのを見送り、しばらくすると、ある程度離れた所で爆発音が響いた。
驚いて木の上に上る。
「大丈夫じゃよ。ダイナマイトで採掘しとるだけじゃい」
木の下から声をかけられ、見るとおじいちゃんがいた。
小柄で目元の隠れたおじいちゃんだ。
すぐに木の下に降りる。
「ダイナマイトですか？」
「地面深くにいるかもしれないからと、千空が準備しとったぞい」
なるほど。
「お前さん、Aじゃったか？」
「はい。おじいさんは？」
「ワシはカセキという、ただ物作りの好きなじいさんじゃよ。敬語いらんし、好きに呼んでちょ」
何とも気軽なおじいちゃんだ。
小柄だからか、可愛らしく感じる。
「んー、じゃあ、おじいちゃんって呼んでもいい？」
「オホホー！いいじゃない、嬉しいじゃない！」
本当に可愛い人だなぁ。
ウキウキした様子でいるおじいちゃん。
そんなおじいちゃんの手に、木槌が握られている。
「おじいちゃんは大工さん？」
「そんなとこじゃな。千空に頼まれて色々作っとる」
「へぇー、すごいね」
千空に頼まれて、ということは、きっとたくさん無茶振りされてるんだろうな。
おじいちゃんはさっきよりもウキウキした様子で、私を見てくる。
あ、この感じは知ってるぞ。
実験が成功したり、何かが完成した時の千空に似てる。
「見たい？」
わー、やっぱり。
話したがりさんだ。
まぁ、暇だし、見てみたい気持ちもあるしね。
「じゃあ、ぜひ」
「オッホホーイ！」
周りにお花が見えそうな程、おじいちゃんは嬉しそうに笑い、私の手を握る。
そのまま手を引かれ、荷物のあるだろう所へ向かう。
これは長くなりそうだなー。
その予感の通り、おじいちゃんの早口は長々と続いた。
.
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作者名：菜野花 | 作成日時：2023年4月29日 21時
