112-JK- ページ12
ドアの閉まる音でリビングから顔を少し出すと、そこにもうAの姿は無かった。
抱き合う2人を押しのけて外に出た。
A、どこ?
また1人で泣いてるの?
なんで、なんで俺はいつもそばに居てあげられない
「A!!!」
名前を叫び、壁から身を乗り出しながらあたりを探す。
どこにいったの、まだきっと遠くには行ってない
オートロックの自動ドアを過ぎる。
遠くに少しだけ見える彼女の背中はあまりに小さかった。
「名前!!!!」
待って、行かないで、
それなのに彼女の歩幅はどんどん大きくなって、走り出して行く。
「A!待てって!」
お願いだから、止まってよ。
支えさせてって言った。一緒にいるって言った。
どうかその言葉を嘘にさせないで
家の周りだったから、見つけるのが思ったよりも楽でよかった。
1秒でも早く、君のその手を掴んで離さない。
「・・・来ないで」
俺の気持ちとは裏腹にAから出る言葉は、俺を拒絶するものだった。
「っ、」
やだよ、絶対にやだ、
こうやっていつも逃げてきたせいで、きっと君はとても傷ついていて、
それがまた俺を傷つけさせる。
ヒョンなんかを思って泣かないで。ヒョンなんかすぐ忘れられる
だから、
「俺を、好きになって」
そうしたら、もうAに暗闇なんて見せないから。
俺だけがAの全てになればいい。
彼女の唇から流れる血が痛々しくて、手で拭った。
それでもまだ足りなくて、どうにか全てを伝えたくて、気がつくとそこに自分の唇を重ねていた。
「結構、待った方だと思うよ笑」
俺を傷つけた、ときっとAは思ってる。
それでいい。
それが理由でも俺をそばに置いてくれたらそれでいい
「私はジョングク君のそばにいていい人間じゃない」
それは俺が決めることだよ。俺が決めたのはAだから、そんなの理由にならないんだよ。
「Aが怖いくらい好きだから」
自分でもびっくりしてるんだ、
こんなに待たされて、しかも他の男が好きな女をなんでこんなに好きなのか。
いくら愛を与えたって報われないのに、それでもこんなに好きなんだ。
ヒョンのことで泣いていいなんて嘘だよ。
本当は今すぐヒョンの全てを忘れてしまえばいいと思ってる。
でもそれより、君がそばにいてくれることが俺の幸せだから。
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●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» なんでいつもそんなに嬉しいこと言ってくれるんですか!笑 本当にありがとうございます! (2018年2月18日 0時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - ●さん» じっくり読み返してつくづく思ったのですが、このお話、本当に名作だと私は思っています^^私、twitterでも占ツクでもかなりの数のお話を読んでますが、本当に素晴らしい作品だと思っていますのでこれからもじっくり読ませていただきますね^^ (2018年2月16日 16時) (レス) id: 35241c8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
●(プロフ) - alexandrite_bbcさん» いつも本当にありがとうございます!少し物語をサラサラ〜と進めすぎた感じが否めませんが、ここからどうにか頑張ります 笑! (2018年2月16日 14時) (レス) id: a074edcd70 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 1から読み返して来ました^^テテ、どうなるのかな?更新とても楽しみに待っております^^ (2018年2月16日 12時) (レス) id: 35241c8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 胸がぎゅっと苦しいのがずっと続いてます( ;∀;)はぁ...どうなるのかな…更新楽しみに待っております!! (2017年12月10日 6時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:● | 作成日時:2017年12月3日 20時